【庭池の作り方】方法と費用を解説

皆さんは「池のある庭」に憧れた事はありませんか?

もともと日本には庭池で金魚や鯉を飼育する文化がありますし、なんだか雅な雰囲気がして素敵ですよね。

庭池を楽しむことは庭の中に自然環境をもう一つ構築してしまうというスケールの大きな趣味と言えそうです。

魚や植物の生育を見ながら季節の移ろいを感じるなんてとても素敵な事ですよね。

大きな池を作るのは費用や敷地の面で難しいですが、小さめの池であれば意外と自分で作れちゃうんです。

今回は庭池をDIYで作る方法についてご紹介して行きたいと思います。

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庭池の種類と利用方法

そもそも庭池を作る目的とは何なのでしょうか?

景観として楽しむため、魚を飼育するため、水生の植物を育てるためなど色んな用途がありますよね。

それぞれの目的によって作り方や用意するものなどが変わってきますので、作り始める前に目的を明らかにしておきましょう。

池は作って終わりではなく、その後のメンテナンスも必要になりますので、「せっかく綺麗に作ったのに後々のメンテナンスの為に一部分を崩す必要が出てきてしまった…」なんて事にならないように注意して作っていきましょう。

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魚など水生生物を飼育する池

庭で水生生物を育てる場合、どのような生き物が適しているのでしょうか。

錦鯉が何匹も優雅に泳ぐような広い池を作る方はなかなか居ないでしょうから、現実的に作成可能な広さの池で考えると金魚やメダカなどの小魚が主役になると思います。

エビやタニシなども水の環境保全に一役買ってくれるのでおすすめです。

ただし、エビの中には爆発的に増える種類もいるので繁殖力の確認など事前の注意が必要となりそうです。

観賞魚を取り扱っているお店で「どんな魚を飼ったら良いのか」を聞いてみるのが一番間違いないかもしれませんね。

魚だけでなく、他に必要なものなどのアドバイスも貰えそうです。

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植物を育てる池

水生植物はその生息地帯によっ下記の5つの種類に分けることができます。

  1. 岸辺植物・・・湿気の多い岸辺に住む植物(ギボウシなど)
  2. 抽水植物・・・河川や池の底に根を張り、茎や葉・花を水面から出して育つ植物
            (ショウブ、カキツバタなど)
  3. 浮葉植物・・・河川や池の底に根を張り、葉や花を水面に浮かばせて育つ植物
            (スイレン、ジュンサイなど)
  4. 沈水植物・・・水の中で成長する植物(マコモ、タヌキモなど)
  5. 浮遊植物・・・水面に浮いた状態で成長する植物(ミズアオイなど)

自宅の庭に池を作って植物を楽しむ場合、岸辺植物は候補から外れるのではないでしょうか。

どこまでを岸辺植物の範囲とするかの境界をビシッと決めて区切るのが難しそうですからね。

あくまでも池の中で育つ植物をチョイスすると景観として納まりが良いのではないかと思います。

庭池を作る費用と作り方

庭に池を作ると言ってもその規模によって施工手順は大きく変わります。

広く深く掘削してコンクリートで池を形成し、水を引いてくるというような大規模なものはDIYの範囲を超えているような気もするので、そのような規模の池を所望する場合は業者に相談して見るのが良いかもしれませんね。

ここでは比較的簡単に庭池を作る方法をご紹介していきます。

用意するもの

  • スコップ
  • フィルター
  • 石、レンガ
  • 底砂
  • 水草
  • 貯水部用の部材

上記の資材は池の形状や大きさに関わらず必要になってくると思います。

シャベルはもちろん地面を掘るためですね。

池作りで一番ハードな要素ですが、掘った分しか池として活用する事が出来ないので頑張りましょう!

石やレンガは池の周りに配置するためのもので、和風の庭であれば石を、イングリシュガーデンなど洋風のテイストの庭ならばレンガを並べて雰囲気を演出しましょう。

フィルターは電源を必要としますので、外部コンセントの有無や位置を予め確認しておきましょう。

底砂は水草を育てるのに必要です。

人工物の上では植物は育ちませんからね。

ただ、自然の感じを出そうとして泥を含んだような砂を入れてしまうと濁りやアオコの発生の原因になってしまいますので注意しましょう。

おすすめは溶岩石など多孔質の砂利です。

DIYでの池作りの場合、貯水部はプラスチックで出来た『プラ池』と呼ばれるパーツを使う方法とプールライナーという防水シートを敷いて水を入れる方法の2種類に分けられます。

プラ池を利用する場合

プラ池はホームセンターやインターネットで簡単に購入出来ます。

価格は1万円~2万円程度の商品が多いようです。

プラ池を利用するメリットとしては耐久性が確保されている事と取扱いが簡単である事です。

地中に埋めなくてもそのまま水を張って手軽に楽しめる点も良いですね。

しかし庭にドンと大きなプラスチックが置かれているのも風情に欠けますから、今回は掘削してプラ池を設置する方法で手順を見ていきたいと思います。

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掘削

使用するプラ池の大きさより少し広めに掘ります。

その分余計に労力がかかりますが、位置や高さの調整などが格段にやりやすくなりますので頑張りましょう。

また、掘る位置ですが、電源や水栓から近くて人の通る動線を邪魔しない場所にしましょう。

子供が落ちてしまったり、庭で洗濯物を干すのに邪魔な場所に作ってしまうと楽しめなくなってしまいますからね。

掘り終わったらプラ池を設置しましょう。

広めに掘ってあるので向きや位置などを好きなように微調整し、土を入れ戻して固定します。

縁の部分が見えなくなるように石やレンガで囲みましょう。

底砂を敷く

水洗いした砂利をプラ池の底に敷き詰めていきます。

底が見えなくなるまで万遍なく敷きましょう。

魚用の隠れ家として岩や設置物を配置する場合はこのタイミングで並べて下さい。

水を入れる

砂利が敷けたらいよいよ水張りです。

全体的な水位としては魚が外に出てしまわないように気持ち少なめにしておくと良いと思います。

フィルターの設置

続いてフィルターを設置します。

フィルターも灯籠型や洋風ランプ型など様々なデザインがあるので選ぶのも楽しそうですね。

家や庭の雰囲気に合わせてお好みのものを見つけて下さい。

参照:タカラ工業 

設置したフィルターが作動する事を確認したら、そのまましばらく作動させて放置しましょう。

すぐに魚を入れたくなってしまいがちですが、まずは水の環境を整えるために我慢してください。

魚を入れて完成

魚を入れる際は、いきなり水の中に放してしまうのではなく水温や水質を徐々に慣らしてから入れるようにしましょう。

『水合わせ』と呼ばれるものです。魚を販売店で購入した場合、魚は袋に入った状態で渡されます。

その袋のまま1時間程度水に浮かべて水温を合わせていきましょう。

次に袋の中の水を3分の1くらい捨てて、その分を池の水で補充します。

この水の入れ替えを数回繰り返して水質にも慣らしたら魚を池に入れて完成です!

プールライナーで池を作る場合

参照:タカショー 総合カタログ 

プールライナーで池を作るメリットは、形状を好きに決められるという点です。

プラ池は製品なので大きさや形が決まってしまっていますが、プールライナーを使えば自宅の庭に一番合った形状の庭池を作る事が出来るようになります。

その形状を決める際ですが、シンプルな丸や四角にするのではなく、ひょうたん型や不等辺の多角形など少し入り組んだ形にすると水中の環境が場所によって変わるので色々な生物が適応しやすくなります。

そう言えば製品のプラ池も入り組んだ複雑な形をしていましたよね!

掘削

プラ池の時と同じようにスコップで掘っていきますが、プラ池の時より広さも深さも必要なのでプールライナーを使う時はより一層頑張りましょう。

その分イメージ通りの池が作れるのです!一番深いところで40cm程度の深さを目安にしてください。

また、植栽が出来るように浅瀬も作りましょう。中心部の深さが40cm、その周囲に深さ20cmの浅瀬を作るように掘っていきます。

ライナーを敷く

掘り終わったら土の上の石などを取り除きましょう。

ライナーが傷ついて破れるのを防ぐためです。

更に土の上に古い毛布などのクッション材を敷き、その上にライナーを敷いていきます。

一定以上の水位になってしまった時に水が溢れるのを防ぐために、排水溝や舗装部分に向かってパイプを通して置くと安心です。

底砂を入れる

プラ池の時は濁らないように砂利を敷きましたが、ライナーで作るとより自然に近い形状に作れるので赤玉土などを入れて自然環境を再現してみるのも楽しいかもしれません。

端部にはライナーを押さえるために大きめの石を並べましょう。

石を並べるのも重労働ですが、この石の配置でデザインが決まりますので焦らずにじっくり考えながら並べてください。

水を張る

水位などの注意点はプラ池の時と同じです。

浅瀬に植栽をしますが、スイレンなどは鉢のまま池に沈めてしまえば根の管理などがしやすくなるのでおすすめです。

魚を入れる

プラ池の時と同じように水合わせをしっかりと行ってから魚を池に放します。

ライナーを用いる場合だけでなく、プラ池にも共通するのですが水場にはボウフラが発生して蚊が繁殖しやすくなります。

自然環境の再現とは言え、大量の蚊に悩まされるのは嫌ですよね…。

そこでボウフラを食べてくれるメダカを池に放すのがおすすめです。

ただし、そのメダカを食べてしまうようなブラックバスなどの大型の魚を一緒に入れないようにしてくださいね。

その後のメンテナンス

庭池は自然環境なので「作って終わり」ではなく定期的に手入れをする必要があります。

具体的には

  • 水が少なかったら足す
  • 底に溜まった落ち葉やゴミを取り除く
  • 藻が発生したら取り除く
  • 育ちすぎてしまった植物を間引いて剪定する

などの作業が必要になります。

庭池は作るのも管理するのも大変ですが、それまでとは全く違う庭の楽しみ方が出来るようになります。

家族で生き物観察や季節の植物を楽しむなど特別な時間を共有出来るのではないでしょうか。

是非ご検討してみて下さい。

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