【カーポートの寿命は10年以上⁉】種類別の耐用年数を知っておこう

自宅のカーポートの調子はどうですか?

ここまで何台もの自家用車を守ってくれたのだから、最後までに大事に使いたいと誰しも考えます。

しかし、長年使い慣れたカーポートもいつかは老朽化してやがて寿命を迎えるのです。

はたしてカーポートはいつまで使えるのでしょうか。

カーポートの寿命について探っていきましょう。

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寿命と耐用年数の違い

寿命と耐用年数は、どちらも似たような意味をもつ言葉ですが、どこかに違いがあるのでしょうか。

寿命は、本来の機能が果たせなくなった時点を指します。

乾電池で考えると分かりやすいでしょう。

乾電池は発電できなくなった時が寿命です。

カーポートも同様に車を留められなくなったとき、あるいは留められたとしても雨除けなどの機能が果たせなくなったときが寿命なのです。

耐用年数は、寿命と同意義で使ってもけっして間違いではありません。

しかし基本的には税務用語として用いる言葉なのです。

国税庁が予め建物や機械の耐用年数を定めて、減価償却分を経費として認めるためにのものです。

このため、業務用として設置したカーポートは、確定申告をすれば経費に組み入れることができるのです。

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カーポートを構成する材料

カーポートの寿命を考えるためには、カーポートがどんな材料で構成されているのかを知る必要があります。

使用される材料によって寿命は変わってくるのです。

ポリカーボネート製屋根パネル

今やカーポートの屋根材として主力となったのがポリカーボネートです。

透過性があるのと同時に紫外線をカットします。

適度な強度があり、変形や変色などの劣化現象がほとんどありません。

またポリカーボネートは、難燃性で火に強い製品です。

火をつけるといったんは燃えますが、溶けることで数十秒で火が消える自己消火機能を持ち合わせています。

このため、従前は法的には瓦、鉄、ガラスなどの不燃材しか設置が認められなかったのですが、ポリカーボネートの登場により建築基準法が改正され、開放性のあるカーポートの屋根材として使用できるようになったのです。

波板塩化ビニール製屋根材

ポリカーボネートが登場するまでは、カーポートの屋根材の主力は波板塩化ビニールでした。

安価で加工がしやすいことが人気の理由でした。

しかし残念ながら、耐久性がなく、直射日光が当たる場所に設置されたものだと、硬化してひび割れが生じてしまいます。

また、衝撃にも弱くちょっとした小さな飛来物でも割れることがあります。このため耐久年数も3年~5年と短いのです。

スチール製折版屋根

スチールを台形の波形に加工したのが、折版(せっぱん)です。

やや武骨な印象があり、デザイン性はポリカーボネートに劣りますが、強度や耐久性に優れており、台風や積雪にも十分に耐えられます。

ただし重量があるので、折版を支える構造体も、この重量に見合った強固なものにする必要があります。

柱・梁の構造体

カーポートの構造体の主力は、アルミです。

既製品として大量生産されているので、安価で入手でき、短い工期で組み立てられるのが人気の理由です。今やカーポートのほとんどをアルミ製が占めているといっても過言ではないでしょう。

ただし積雪が150㎝を超えるような地域に設置するタイプのカーポートはスチール製です。

住宅やウッドデッキなとど一体感を演出したい場合は、木造のカーポートがふさわしいでしょう。

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何がカーポートの寿命を決めるのか

カーポートの寿命は一般的に10年~15年と言われています。

はたして何がカーポートの寿命に作用するのでしょうか。

ここでは、片持ち片流れのアルミ製カーポートを素材として、部位別にみていきましょう。

ポリカーボネート製屋根パネル

ポリカーボネート製屋根パネルは、塩化ビニールのような著しい劣化はなく、大事に使えば10年~15年は使用に耐えます。

しかし常に外気にさらされている特性から、自然災害による被害を避けることができません。

想定設計強度以上の風が吹いたり、積雪があると破損する可能性があります。

また近年では雹(ひょう)による被害も報告されています。

つまりポリカーボネート製の屋根パネルの寿命を左右するのは、経年によるものではなく、突発性の災害であったり、誤って鉢植えを落下させるなどの人為的ミスによる被害を受けるリスクによるものなのです。

ビス・ビート

屋根パネルを押さえているアルミ材は、ビスとビートと呼ばれるゴム製品で固定されています。

屋根パネルは常時風圧を受けているため、ビスにも相当の負荷がかかっています。

またゴム製のビートも経年とともに硬化してきます。

これが長年の積み重ねにより、ビスの緩みにつながります。

台風などで屋根パネルが飛ばされた事例をみると、屋根パネル自体は無傷のままでアルミ枠が外れたために飛ばされたケースが実に多いのです。

屋根パネルが無傷であれば、再び取り付けたらいいのですが、メーカーの部品保守義務期間が6年間であることから、カーポートにぴったりと合う部品がないために、結局カーポートを新たに建て替えざるを得ないこともあるのです。

独立基礎

カーポートの寿命を決めるのにもっとも影響力があるのは独立基礎です。

独立基礎がしっかりしていれば、寿命と言われている15年を超えてもきちんと建っています。

しかし手抜き工事で施工された独立基礎の場合、一度強風にさらされただけで傾いてしまうリスクがあるのです。

手抜き工事をする施工会社は、本来コンクリートで造るべき基礎をモルタルで施工します。

コンクリートは、セメントと砂と砕石と水を練りますが、モルタルはセメントと砂と水で練ります。

コンクリートは、10㎝角で18トンの荷重に耐えられますが、そもそもモルタルは構造体に使用することを前提とした材料ではありません。

平時は周辺の土と相まって柱を固定していますが、地震で地盤が液状化する事態になれば、たちまち基礎の脆さが露呈する事態になりかねません。

基礎には、必ずコンクリートを使用してもらうよう、施工会社に念押しをしておくことが重要です。

また柱の根入れ深さも重要です。

カーポートでは一般的に柱のうち55㎝前後が地盤に埋まることになっています。

根入れ深さが適正なのか、チェックをしましょう。

根入れ深さが浅いと、台風の際に基礎が引き抜かれる原因になります。

カーポートは組み立て商品ですから、一般の家具同様に「組立・施工説明書」がついています。

施工会社に説明書をみせてもらうと、独立基礎が仕様どおりに施工されているかのチェックができます。

カーポートの耐用年数を経理に生かすには?

カーポートが業務用専用として設置したものであれば、減価償却分を経費として計上できます。

国税庁の耐用年数省令別表には「カーポート」の名称はありません。

そのため、どの項目に該当するかは、最終的には税務署に確認していただきたいのですが、ここでは建築付属設備に該当するとして、耐用年数を8年とします。

たとえば24万円で設置したカーポートであれば、これを8年で減価償却することになるので、毎年3万円を減価償却費として計上できるのです。

まとめ

ここまでカーポートの寿命について説明をしてきましたが、いかがでしでしょうか。

カーポートの寿命は10年~15年といわれていますが、メンテナンスの有無や施工技術によって、長くも短くもなります。

被災によるポリカーボネート屋根パネルの破損は、市販品のポリカーボネート板を購入すれば、自分でも交換することは可能です。

カーポートは、メンテナンスひとつでいくらでも延命できるのです。

一方で、独立基礎が手抜き工事で施工されてしまえば、取り返しのつかないことになります。

自己防衛のためにも、カーポート施工の際には基礎工事だけは自分の目で確認をして、納得のいく施工をしてもらいましょう。

それがカーポートを長寿にする最も有力な方法なのです。

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