カーポートを作って屋根のある駐車場にしたいけど、気をつけておくべきことや注意点って何かあるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
カーポートは大きさもあり、家の外観に影響する存在感もあります。また、決して安いものでは無いので、失敗して後悔することは避けたいところです。
駐車場にカーポートを作ることで、大切な愛車を守れるだけでなく、便利な空間としても使うことができます。
カーポートを設置した駐車場は長年使用していくので、しっかりと検討をして納得のいくものを作りたいですよね。
それでは、駐車場にカーポートを設置する場合の7つの注意点について見ていきたいと思います。
////駐車場にカーポートを設置するための7つの注意点
カーポートを設置して駐車場を作る場合、現在の状況だけでなく将来的なことにも注意しなくてはなりません。
カーポートを設置した駐車場は、長年使用するために環境の変化なども考慮に入れる必要があるからです。
ここでは、カーポート設置のための7つの注意点についてご紹介していきます。
① 駐車に必要な広さと高さ
駐車場を快適に利用できるようにするためには、車の大きさをしっかりと把握しておく必要があります。
車が入るカーポートを用意するのは当然のことですが、見落としがちなのがドアを開いた時の寸法です。
車の乗り降りや荷物の出し入れを考慮に入れておかないと、もっと大きなカーポートにしておけばよかったと後悔の種になってしまいます。
駐車場にはしっかりと車が入っているけど、乗り降りが窮屈だったり、荷物の出し入れをするときに雨に濡れてしまうといった失敗例も実際に多くあります。
カーポートを選ぶ際には、乗り降りや積み込み積み下ろしスムーズに行えるように、実際の車のサイズだけでなく、快適に動作できる寸法を測っておくようにしましょう。
また、駐車場をカーポートで作る場合に注意しておきたいのが、駐車場には勾配があるという点です。
駐車場は水たまりができないように、傾斜をつけて排水ができるようにします。
カーポートは傾斜に合わせて設置するのではなく、水平に設置するため、勾配の分だけ高さが低くなるんです。
例えばカタログで有効高が220cmあったとしても、勾配が15cmほどあった場合、実際のカーポートの高さは205cmとなります。
カーポートを選ぶ際には、駐車場の勾配と車高の関係にも注意しておきましょう。
それから、将来的に車を替える場合、可能性のある車種に関しても考慮に入れておきましょう。未来のことは現時点ではわかりませんが、少なくとも可能性については考えておく必要があります。
例えば、これから家族が増える可能性がある場合には、現在の車よりももっと大きい車が必要になる可能性があります。
家族に高齢の方がいる場合には、車椅子が通れるスペースが必要になったり、乗り降りしやすい高さを持った車種にする場合もあります。
趣味を続けていくうちに荷物がもっと載る車にしたいと考えるかもしれません。
駐車場をカーポートで作った場合、長年使用していくことになるため、可能性のある車種にも対応できるサイズ選びをしておくと、この車に乗りた
いけど駐車場に入らないから諦めようといったことにもならず、後悔することを防ぐことにもつながります。
② 出入りのしやすさ
車を傷つけてしまわないためにも、出入りのしやすさはカーポートを設置する前に考えておきましょう。
カーポートを駐車場に設置したことで、以前より駐車しづらくなってしまったということや、新築で駐車スペースを作ったけど、車が入れられないということは避けたいものです。
まず、敷地の前の道路幅や障害物、そして駐車する際の角度などをチェックしてみましょう。
カーポートの柱が邪魔になる可能性がある場合は、それをふまえてカーポートのモデルを選ぶようにします。
カーポートには片面支持タイプや両面支持、それに後方支持タイプなどの柱のタイプがあり、環境に応じて選ぶことができます。
また、見通しが悪い場合にはミラーの設置も検討しておきましょう。
駐車場付近の見通しを良くすることで、さまざまな角度から確認することができ、スムーズに車の出し入れをすることができます。
駐車場からの見通しが悪い場合、通行人や自転車との事故にもつながる場合があるので、敷地だけでなく隣家方向の見通しについても確認しておきましょう。
それから、夜間の視界を確保するための照明や、駐車位置を確認するための印や車止めをあらかじめつけておくと駐車をしやすくなります。
費用はかかりますが、車を傷つけてしまったり、家やカーポートを傷つけてしまうことを防ぐことができる有効な対策です。
大切な車を傷つけたり、事故を起こしてしまう可能性を少なくするためにも、出入りのしやすさについては注意しておきましょう。
③ 境界線に注意
カーポートを設置する場合には、隣地に雨水や雪が落ちてしまわないか確認するようにしましょう。
駐車場のスペースを広くとりたいために、境界線ぎりぎりにカーポートを建ててしまうと隣家とのトラブルになってしまう可能性もあります。
カーポートの上の雨水や積もった雪が、隣地方向に落ちるようなプランを立てている場合は注意しましょう。
また、道路側の境界線についても注意が必要です。柱を敷地内に建てたとしても、屋根部分が道路にかかってしまうと、建築基準法違反になってしまいます。
この場合、撤去命令が出される場合もあるので、カーポートの屋根が道路にかからないように確認する必要があります。
それから、敷地の前面道路が4m以下の場合には、建築基準法第42条第2項で、道路の中心線から2mまでの範囲を道路扱いにすると定められています。
セットバックと呼ばれるもので、敷地を所有していても、その範囲は道路の一部として扱われます。
つまり、道路であるセットバック部分に屋根がかかってしまった場合も、建築基準法違反になってしまうわけです。
④ 外壁や樹木に注意
駐車場をカーポートで作る場合、建物の外壁には近付けすぎないように注意しましょう。
カーポートの片側支持タイプの場合、強風や地震の際にある程度揺れ動く事によって、力を分散し強度を維持しています。
カーポートが建物に近すぎた場合、揺れ動いたカーポートが接触して、建物の外壁を破損させてしまう可能性があります。
玄関から駐車場を近くしたいという場合や、敷地の問題で駐車場の位置が限定されている場合などもあると思いますが、その場合にはカーポートが揺れた際に問題が起きないか、あらかじめ確認するようにしましょう。
また、カーポートの屋根がが建物の屋根の下にならないようにする必要もあります。
大雪の際に建物の屋根に積もった雪が、カーポートの屋根に落ちると、破損したりしてその下にある車にも被害が及ぶ可能性があるからです。
カーポートの素材にもよりますが、落雪の重みに耐えられない場合もあるので、注意しましょう。
それから、敷地に樹木を植えている場合には、生長した時にカーポートに接触する可能性がないか、確認しましょう。
樹木の種類によっては、カーポートよりも高く生長するため、枝の手入れや落ち葉の処理を考えなくてはいけません。
駐車場の位置をこれから決める場合は、樹木から離れた場所に設置したり、駐車場のまわりに大きく生長する樹木がある場合には、移植なども検討してみましょう。
⑤ 設備配管の位置
カーポートを駐車場に設置する際には、基礎を作るために地面に穴をあける必要があります。
その際に水道管やガス管が通っていることを確認せずに行ってしまうと、配管を傷つけてしまい事故になってしまう可能性があります。
カーポートを設置する場合、事前に穴をあける場所に配管が通っていないか確認するようにしましょう。
⑥ 駐車場の舗装
駐車場には耐久性のある舗装を選びましょう。快適に駐車場を使用していくためには、費用がかかったとしても、しっかりと舗装することが大切になります。
土のままだと車の出入りで靴の下の汚れを持ち運ぶことになり、砂利を敷いただけの場合、飛び石などが起こり家を傷つけたり、敷地や敷地の外に石を散らかしてしまいます。
舗装をしっかりと行っておくことで、そういった問題を回避することができます。
費用が気になる場合は、タイヤがのる場所や通路をコンクリート舗装にして、他の部分は安価に抑えられるものにすると費用が抑えられる場合もあるので、業者に相談してみましょう。
⑦ 地域にあわせたカーポートを選ぶ
カーポートには、一般的な環境に合わせたモデルと積雪に対応したモデル、強風に対応したモデルがあります。
降雪が多い地域で一般的なモデルを設置した場合、雪下ろし作業を頻繁に行う必要があります。
積雪対応のモデルであれば、雪下ろしの作業も頻繁に行う必要がなく、手間や時間をかけることなく生活することができます。
また、カーポートは強風に弱い面もあります。強風が頻繁にふく地域では、強風に対応したモデルを選ぶようにしましょう。
こういったカーポートは一般的なものよりも費用がかかりますが、安心して車を停めておける快適な駐車場にするためにも、検討するようにしましょう。
////駐車場をカーポートで作る場合の基礎知識
カーポートを設置するために知っておきたい基礎知識について見ていきましょう。
新築で駐車場にカーポートを設置する場合には問題ありませんが、後から設置する場合には注意しておく必要があります。
カーポートは建築物にあたる
駐車場をカーポートで作る場合には、建築基準法第2条第一号に定義されている内容に該当するため、建築物となります。
カーポートは土地に定着しており、屋根と柱があるからです。なので、建築基準法に適合されるため、原則的に確認申請が必要になってきます。
カーポートを作る場合の確認申請について
上記で説明したように、カーポートは建築物にあたるため確認申請が必要ですが、防火地域や準防火地域で無い場合で、床面積が10平米以内であれば、確認申請は必要ありません。
また、確認申請が必要な場合には、燃えにくい構造にすることや、柱の構造が建築基準法施行令第80条の2を満たす必要があります。
さらに駐車場と住宅を合わせて、建ぺい率や容積率が超えないようにする必要があります。
勘違いしやすいのですが、確認申請が必要な場合も必要でない場合も、建築基準法に適合させなければならないので、カーポートの構造や建ぺい率、容積率はしっかりと守らなければなりません。
ただし、カーポートの場合、建ぺい率や容積率の緩和措置があります。
自治体によっても条件が異なる場合があるので、あらかじめ確認するようにしましょう。違法建築物にしないためにも十分注意しておく必要があります。
駐車場にカーポートを設置した場合の固定資産税について
固定資産税の対象となるのは、土地定着しており3方向以上の壁でおおわれていて、居住や作業、貯蔵ができる建物と定義されています。
カーポートの場合には、土地定着性はありますが、屋根があるだけで3方向の壁がありません。そのため、カーポートは固定資産税の対象にはなりません。
ただし、カーポートでも左右と背面にパネルをつけてしまうと、3方向をおおっているとみなされる場合もあるので、注意が必要です。
また自治体によっては、屋根と柱しかないカーポートも固定資産税の対象にするというケースもあるので、設置前に管轄の役所に問い合わせをするようにしましょう。
////カーポートの駐車場にするメリットとデメリット
カーポートのメリットやデメリットについて把握し対策をすることで、失敗を防ぐことができます。
最後にカーポートを駐車場に設置するメリットやデメリットについて、確認していきましょう。
カーポートで駐車場を作るメリット
まずは、駐車場をカーポートで作るメリットについて、見ていきましょう。
雨に濡れずに乗り降りができる
雨の日でもカーポートの屋根があることで、濡れずに乗り降りができ、余裕を持って行動することができます。
また、荷物の出し入れの際も雨を気にせずにできるので、傘をさしながら行うということも無くなります。
車を汚れにくくする
車が雨に濡れることもなく、鳥のフンが落ちてくることもありません。
また、雹などの落下物も屋根で防ぐことができるので、車が傷つく可能性も抑えることができます。
屋根があることで、洗車やワックスの回数を減らすこともできます。また、冬場には車の窓に霜がつきにくくなるという利点もあります。
直射日光を避けられる
夏場の日差しは車内を熱するだけでなく、車体やインテリアなどを劣化させる原因になります。
カーポートの屋根が紫外線をカットしてくれたり、熱線を遮断することで、そういった問題も解消することができます。
カーポートで駐車場を作るデメリット
駐車場をカーポートで作った場合のデメリットと、その対策について見ていきましょう。
カーポートの柱が邪魔になる
カーポートには屋根を支える柱が必要です。
駐車場の広さが取れなかったりする場合、柱によって多くのスペースがとられてしまい、歩行するスペースがなかったり、駐車がしづらくなってしまいます。
前述しましたが、カーポートには柱の位置が横にあるタイプや後方にあるタイプがあるので、駐車場の環境によって選ぶことで、柱が邪魔になるということを軽減することができます。
圧迫感を感じる
カーポートには屋根があり、その屋根がメリットでもあるのですが、天井ができてしまうとどうしても感じるのが圧迫感です。
透明感のある屋根材を選んだり、必要な高さよりもさらに高いものを選ぶことで、そういった圧迫感を多少解消することができます。
強風に弱い
カーポートは柱と屋根というシンプルな構造ですが、耐風圧強度の設定があり簡単に飛んでいくことはありません。
ただ、台風や竜巻などの場合には、カーポート全体が倒壊しないようにするため屋根材が外れるようになっています。
どこかへカーポートの屋根が飛んでいかないか心配な場合は、台風対策のオプションを選んだり、屋根材を折板のものにするようにしましょう。
駐車場をカーポートで作るまとめ
ここまで駐車場をカーポートで作る場合の注意点について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
カーポートを設置して快適な空間を作るためには、多くのことに注意をする必要があります。長年使っていく駐車場ですから、後悔のない満足いくものにしたいですよね。
そのためにも、経験のある業者に施工を依頼して、相談しながら納得のいく駐車場を作っていくことをおすすめします。
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