人工芝は10年経つと劣化する?手入れの方法を解説

人工芝は10年経つと劣化する?手入れの方法を解説

人工芝は天然芝のような手入れは不要ですが、そのまま放置しておくと経年劣化します。

その寿命はおよそ10年とされますが、庭に張るとさらに短くなるので注意しましょう。

定期的にメンテナンスをすれば、寿命が短くなるのを回避できるので、その方法を解説します。

【こちらの関連記事もご覧ください】

////

人工芝は経年劣化するとどうなる?

人工芝

人工芝が劣化するとどうなってしまうのかを説明します。

そもそも人工芝とは?

人工芝は本物の芝のような形態をした「化合物」です。その材質は「樹脂」ですが、種類はさまざまです。

ナイロン

ナイロンは芝の茎や葉の部分となる「パイル」の素材として古くから用いられているものです。

特徴は手触りの柔らかさですが、耐久性が低いという難点があります。

庭で使用すると、紫外線を受けて変色しやすく、また雨を受けて水分を含み痛みやすいという欠点があります。

ポリプロピレン

ポリプロピレンも人工芝のパイル素材として古くから使用されていますが、天候への耐性が高いのが特徴です。そのため、ナイロンよりも庭での使用に向いています。

水への耐性も高いので、庭でガーデニングをしたり子どもが遊んだりといった家庭ならポリプロピレン性の人工芝がおすすめです。

ポリエチレン

耐久性が高く紫外線にも強いのがポリエチレンの人工芝の特徴です。もちろん性能が良いことに比例して価格も高くなる点には注意が必要です。

コストよりも劣化のしにくさを選ぶのであれば、ポリエチレンの人工芝がおすすめです。

人工芝が劣化する原因

人工芝が劣化する原因はいわば、樹脂が劣化する原因でもあります。

太陽の紫外線

人工芝の素材である樹脂は、紫外線を受け続けると色があせてきます。さらに素材そのものが分解し始めるためにもろくなります。

たとえば耐久性が樹脂の中でも高いポリエチレンは、紫外線を受けてラジカルを生成し酸素と反応して酸化による劣化が始まります。

そのまま放置しておいても、自然と劣化するということです。

水はけの悪さ

人工芝は水はけを良くしておかなければ、パイルに水が付着したままとなりカビが発生します。

特にナイロン製の人工芝は吸水性が高めなので、カビの発生には注意が必要です。

人工芝が劣化するとどうなる?

人工芝のパイルは劣化すると変色し、もろくなってちぎれるようになります。

これは上を歩くことなく放置しておいても、日光や風雨を受けることで徐々に進行します。

劣化するとパイルを立てようとしても、すぐに倒れてしまいます。さらにパイルが割れたり抜けたりします。

ちぎれたパイルを放置すると透水穴に詰まり、水はけの悪さにつながります。

また人工芝そのもの以外にも、下に敷いている防草シートも劣化します。その結果、雑草が生えることで虫が発生し、見た目にかなり汚くなってしまいます。

////

人工芝の寿命

砂時計

人工芝の寿命は一般的に10年と言われますが、使用する場所によってはさらに短くなるので注意しましょう。

人工芝の寿命の調べ方

人工芝は検査をすると、おおよその寿命がわかります。安価な商品では実施されませんが、それは費用がかかるからです。

寿命を調べるには、劣化の原因となる紫外線を当てるテストを行い、さらに摩擦テストを行います。

これを短期間で集中して実施することで、だいたいの寿命を算出できます。

販売されている人工芝に等級などが表示されていれば、このような検査で性能をチェックしていることになります。

人工芝の寿命

人工芝の寿命はおよそ10年ほどとされています。ただしこれは外的影響を受けにくい環境下での話であり、具体的には室内に設置した場合と考えてよいでしょう。

たとえば摩擦が激しいサッカー場に設置した場合には、人工芝は4~5年しかもちません。

テニスコートであれば7年程度など、歩いたり走ったりする頻度に応じて寿命は異なります。

一般的に庭のエクステリアとして使用する場合には、たとえばガーデニングなどを行い歩く頻度が高いケースで8年程度と考えるとよいでしょう。

【こちらの関連記事もご覧ください】

////

人工芝の寿命はメンテナンスで延びる?

人工芝の上に置いてあるブラシ

人工芝は本物の芝のような手入れは不要ですが、劣化を抑えるためのメンテナンスは必要です。

芝を起こす

人工芝の上を歩くと、パイルが寝たままの状態になります。これを起こす作業が必要です。

パイルを寝たままにすると、透水穴がパイルで塞がれて水はけが悪くなります。その結果、パイルが吸水してカビが発生し劣化につながります。

透水穴を詰まらせないように、定期的に芝を起こすようにしましょう。デッキブラシをかければ、倒れたパイルを起こすことができます。

掃除をする

人工芝に積もった枯葉や砂などを定期的に除去しましょう。放置すると虫が発生しますし、雑草が生える原因にもなります。

透水穴がある人工芝はそのまま水洗いができるので、まずはほうきなどでゴミを除去したうえで水を撒いて綺麗にしておきましょう。こまかなゴミは掃除機を使えば除去できます。

人工芝の寿命を延ばす「張り方」は?

そもそも人工芝を張る時に、何か注意すれば寿命は延びるのでしょうか。

ポイントとなるのは「下地処理」です。どのような人工芝を買っても、下地をきちんとしておかなければ劣化が早まってしまいます。

人工芝を敷く部分を平らに整地して砂をまき水はけを良くしておきます。転圧をしたら防草シートを敷いて釘を打ち固定させます。

このように下地をしっかりと作ってから人工芝を敷くことで水はけが良くなるとともに、上を歩いてもデコボコになりません。

人工芝の寿命を長くするコツ

TIPS

庭の人工芝を張る場合に、寿命をできる限り長くするためのコツをまとめます。

耐久性の高い素材を選ぶ

まずは人工芝の選び方ですが、耐久性の高い素材を選びましょう。ポリエチレン製のものが1番高い耐久性を持ちます。

もちろん価格も高くなりますが、パイルの長さを検討すれば予算内のものが見つかるでしょう。

パイルの長さは短めに

人工芝はパイルの長さにより見た目やメンテナンスのしやすさが異なります。パイルが長いほうが、見た目は本物に近くなります。もちろん価格もそれなりに高くなります。

一方でパイルが長い人工芝はメンテナンスに手間がかかります。

水分をしっかりと拭き取らなければカビが発生しやすくなりますし、掃除機でゴミを吸い取るのも簡単ではありません。

劣化しにくいものを選ぶとなれば、パイルは短めのものを選ぶとよいでしょう。

定期的にブラッシングを

劣化しにくくするためのメンテナンスで重要なのが、定期的なブラッシングです。

特に上を歩くことが多い場合や子どもが遊び回る場合には、こまめに手入れをしましょう。

また雨が降ったあとも必ずブラッシングをして、水はけを良くしておくことが大事です。

放置しておくとパイルそのものも劣化しますし、下地の防草シートも傷んでしまいます。

まとめ:人工芝はこまめにメンテナンスを

人工芝は10年も経つと劣化し、変色したり抜けたりします。ただしこれは屋内で使う場合であり、庭に張る場合にはもっと寿命が短くなります。

そのため普段のメンテナンスが必要になります。ブラッシングをするだけでもカビの発生を回避できますし、掃除しておけば雑草も生えにくくなります。

【こちらの関連記事もご覧ください】