防草対策として人工芝の設置を検討している人も多いのではないでしょうか?
確かに、人工芝には一定の防草効果が期待できますが、基礎知識を押さえておかないと残念な結果になってしまうことも。
この記事では、人工芝の防草効果や耐用年数、導入するための費用、DIYで設置する場合と業者に依頼した場合の違い、人工芝のメリット・デメリットなど、人工芝による防草対策の基礎知識をまとめていますので、導入の際の参考にしてください。
【こちらの関連記事もご覧ください】
////人工芝の防草効果や耐用年数は?
そもそも、人工芝で雑草対策は可能なのでしょうか?
あるいは、防草効果があったとしても耐用年数が低く、こまめに入れ替えなければならないようならコスパが悪いため導入を止めようと思う人もいるのではないでしょうか。
まずは基本的な部分から見ていきましょう。
1人工芝の防草効果はどれくらい?
天然芝と違って管理する必要がなく、一年中鮮やかな色で楽しませてくれる人工芝は、気軽に導入できることから庭や駐車場周り、玄関周りなどに設置しているという人も多いでしょう。
地面に直接人工芝を敷く訳ですから、その部分の雑草が生えてくるのを物理的に抑えることが可能なのは、想像しやすいと思います。
しかし、人工芝はもともと「雑草対策」を目的として作られているものではないため、ある程度日光を通してしまいます。
つまり、人工芝を敷いていても雑草に届く光を完全に遮断できないという訳です。
また、人工芝には水を捌けるための小さな穴(4mm程度)がいくつも開いています。
ここから水が地面に流れていきますので、雑草の栄養分も遮断することができません。もちろん、穴が開いていれば空気も流れ込みます。
人工芝のみでは、雑草が育つために必要な「光」「水」「空気」をシャットアウトすることができないのです。
「それでも人工芝を敷いて雑草対策をしたい!」という人もいるかもしれません。その場合は
- 人工芝を設置する前に、徹底的に雑草を(根こそぎ)除去しておく
- 除草剤を撒いて防草シートを敷き、その上に人工芝を設置する
といったひと手間をかけましょう。
そうすることで人工芝の防草効果は大幅にアップします。
人工芝の耐用年数はどれくらい?
人工芝はポリエチレンやポリプロピレンといった材質で作られていることが多くあります。
人工物ですので、その上を歩いたり風雨にさらされたり、あるいは単純に経年などによって劣化していきます。
それでも、人工芝が開発された当初よりは耐久性・耐用年数が大きく向上していると言われています。
一般的な製品であれば、7〜8年、長くて10年程度が目安となるようです。
高品質の人工芝は、その分値段が高くなりますが20年もつと宣伝しているものもあります。
ただし、使い方や設置する場所・気候・温度などさまざまな条件によって変わってくるため、あくまで目安として捉えておきましょう。
ちなみに税法上の話ですが、国税庁によれば、野球場や運動場などに設置している人工芝の耐用年数に10年を適用しています。
野球場や運動場といえば、かなり激しい使われ方をするためあまり参考にならないかもしれませんが、一般家庭の庭などに設置する場合は、やはり7〜8年程度で見積もっておくと良いでしょう。
////人工芝の種類と値段
人工芝の種類は実にさまざまです。
いざ選ぼうと思っても、どれが良いのか迷ってしまう人がほとんどではないでしょうか。
着目したいのは「パイル」と呼ばれる葉の部分です。
ロングパイル、ショートパイル、混合パイルなどは基本的な部分です。
ロングやショートというのは、そのまま葉の部分の長さを意味します。
長い方が、ふわふわ感がありクッション性も高くなります。
ショートパイルは水捌けが良く、雑草が少し伸びてきてしまってもすぐに気づくことができます。
混合パイルは、主パイルに副パイルを混ぜることによって、より本物の天然芝に近いリアル感を演出してくれます。
次に「色」や「タイプ」を見てみましょう。
濃い緑色のもの、枯れた葉のような色を混ぜたもの、姫高麗芝をイメージしたものなど、パイルの色や形状などもさまざまです。
「どんな庭に見せたいか(庭に設置するなら)」などのイメージを明確にしておくと探しやすいです。
また、ロールタイプになっていて転がしながら敷けるもの、四角いジョイントタイプになっていて、一部分だけ敷石やタイルにしたり、色々な色の人工芝を交互に組み合わせたりできるものなど、タイプもいくつかあります。
この辺りは好みや、どういった仕上がりにしたいかなどで変わってくるため一概には言えませんが、例えば
- 子供やペットが庭で遊ぶことがあり、芝の色は鮮やかな緑色が良い
という場合はロングパイルの明るめの緑色のもの
- パパがゴルフのパット練習に使う
という場合はショートパイルのもの
- 天然芝に近い感じが好み
なら姫高麗芝を再現したものなど、と分けて考えると良いでしょう。
値段は製品ごと、あるいは設置する面積などによって大きく変わってきます。
一般的な商品であれば1㎡あたり500円〜2000円程度の範囲内で十分に購入できます。
より耐久性がある高品質なものを導入する場合は、1㎡あたり5000円〜7000円くらいを目安にしておきましょう。
【こちらの関連記事もご覧ください】
////人工芝の施工方法と費用の目安
人工芝についての基礎知識をお伝えしたところで、いよいよ実際に施工する場合の流れや費用の目安、必要な道具、さらには業者に依頼した場合の費用についても見ていきましょう。
人工芝を自分で設置する場合の施工方法と必要な道具
DIYで人工芝を設置する場合に必要な道具は次のようなものです。
- 人工芝
- ハンマー
- 人工芝を固定するためのピン
- カッターまたは裁ちバサミ
- マーカー(カットの目印をつける)
- ステンレス定規とメジャー(ない場合はいずれか)
実際に設置する際の基本的な流れは次の通りです。
整地
これは防草シートを敷く前に行うものですが、雑草を根こそぎ除去し、除草剤をくまなく撒いたら、地面を平らに均して(ならして)いきます。
小石などの異物もしっかり取り除きましょう。
キレイになったら、ブロックなど硬いもので上から叩いて均していきます。
防草シートを設置する
1章でもお伝えしたように、雑草対策のために人工芝を設置するなら、防草シートはやはり外せません。
防草シートの設置方法については別の記事で詳しく紹介していますので、ぜひそちらを参考にしてください。
人工芝を設置する
防草シートの上に人工芝を広げて幅や形状などを確認していきます。
余分な部分はマーカーでマーキングし、カッターや裁ちバサミでカットします。
なお、人工芝を複数枚使う場合は両面テープを防草シートの上に貼り、その上から人工芝を敷くようにするとしっかり接着してくれます。
人工芝を固定する
最後に、固定用のピンを打って人工芝を固定します。
ピンとピンの間隔は50cm程度、あるは1㎡あたり2〜4本程度が目安と言われています。
強風が吹き抜けるような場所なら、もう少し多めに打っておいた方が良いかもしれません。
以上が、DIYで人工芝を設置するまでの基本的な流れになります。
そこまで難しい作業ではないため、DIYが初めてという人でも手軽にできるでしょう。
DIYしたときの費用の目安
雑草対策で人工芝をDIYする場合、人工芝、防草シート、除草剤、そして上記でお伝えしたピンやハンマーなどが必要になります。
ハンマー、定規、マーカーなどは家にあるもので構いません。
それ以外のものを購入した場合の費用の目安は次の通りです。
人工芝
1㎡あたり500円〜2000円程度(高品質のものは1㎡あたり5000円〜7000円程度)
防草シート
1㎡あたり300円〜900円程度(特殊なタイプは1㎡あたり4000円〜6000円程度)
除草剤
1ℓあたり600円〜1500円程度
固定用ピン
50本あたり1000円〜2000円程度
人工芝を設置する面積などによって変わってきますが、おおよそ上記の費用が目安となるでしょう。
業者に依頼した場合の費用の目安
人工芝の設置を業者に依頼した場合、メリットとしては見た目がキレイに仕上がる点、クオリティが高い点などが挙げられます。
一方デメリットとしては、DIYよりも費用が高くなる点が挙げられます。
業者によって費用には差がありますが、基本的な設置費用は1㎡あたり5000円〜6000円程度を見積もっておくと良いでしょう。
ただし、防草シートの設置も追加する場合は、上記にプラスして1000円〜2000円程度を見積もっておきましょう。
人工芝の設置は、個人宅の庭程度の広さであればDIYでも十分に可能です。
そうした作業に自信がない人や身体的な負担が大きく難しい人、広い敷地や複雑な形状の土地に人工芝を設置するというケースなどは、業者に依頼することも検討しましょう。
人工芝のメリット・デメリット
人工芝を設置することのメリットは、庭を一年中きれいに見せることができる、天然芝よりも耐久性が高い、設置した後の手入れが不要、日当たりなどの環境を問わず設置することができる、手軽に設置できるといった点があります。
一方のデメリットは、人工芝のみでは雑草対策にならないため、防草シートの設置なども必要になってくる、劣化した場合は新しいものに交換しなければならない、施工にかかる費用が意外と高い、色が変化しないため季節感は感じられない、バーベキューなどの火気は厳禁といった点があります。
人工芝で防草のまとめ
今回は、人工芝を使った雑草対策について基礎知識やメリット・デメリットなどを解説してきました。
人工芝自体の費用が意外と高いな…と感じた人もいるかもしれませんが、庭の全面を人工芝にする必要はありません。
例えばジョイント式の人工芝を購入して、砂利部分と分けたり、コンクリートと人工芝を交互に並べたりといったことも可能です。
雑草が生えにくい場所(あるいは手で抜きやすい場所)などは土のままにしておくこともできます。
このように、アイデア次第でさまざまな使い方ができるのが人工芝です。
雑草対策で使うなら、防草シートも忘れずに設置しましょう。
【こちらの関連記事もご覧ください】
【外構、造園業者向け】下請脱却!オンライン活用で元請けになる5つのステップを公開
当社が新潟の地方で、オンラインで個人客を集客して、3ヶ月先まで予約で埋めた具体的な方法を記事にしていましたので、ご覧ください。