物置をメーカーで比べてみた!イナバ~ヨドコウ~タクボ

鋼板製物置は、イナバ、ヨドコウ、タクボといった大手メーカー3社でシェア80%以上を占めています。

そのため物置を購入しようとすれば、このいずれかのメーカーから選択する確率が非常に高いのです。

はたして、それぞれのメーカーの物置にどんな特徴があるのか比較してみましょう。

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イナバ物置

イナバ物置は、株式会社稲葉製作所のブランド商品です。

1940年創業の稲葉製作所は、1950年に会社を設立しました。元々はオフィス用の家具の製造や販売を行っていましたが、1975年から物置市場に参入し、現在業界トップのシェアを誇っています。

イナバ物置の製造過程は基本的にすべて国産で、監視が行き届く範囲の工場で製作されています。

イナバ物置にはどのような特徴があるのかみていきましょう。

100人乗っても大丈夫?

イナバ物置の最大の特徴は「100人乗っても大丈夫」のCMでもおなじみのように、頑丈な構造にあります。

強さの秘密は、まず柱です。厚さ1.0㎜溶融亜鉛メッキ鋼板を加工した55㎜角の部材を四隅に配列し、物置の重要なフレームとして支えています。

積雪に耐えるためには柱ばかりでなく、屋根も重要な役割を果たします。

仕上げ材である屋根パネルは0.5㎜のアルミニウム合金メッキ鋼板で仕上げられていますが、これを構造的に支える母屋は、厚さ1.0㎜溶融亜鉛メッキ鋼板です。

常に風などの外部からの衝撃を受けやすい、壁パネルは0.6㎜、扉は0.8㎜と容易に変形しないサイズの材料を使用しています。

また物を実際に置く内部の構造については、さらに強化しています。床パネルは1.0㎜とし、それを構造的に支える根太は1.2㎜の溶融亜鉛メッキ鋼板で構成しています。

ウレタン塗装はどうなの?

イナバ物置の塗装は、壁が高級ウレタン塗装、屋根がアクリル塗装になっています。

ウレタン塗装とは、塗料の主成分である合成樹脂がウレタン系の塗料のことです。紫外線に強く、耐用年数は8~10年とされています。

アクリル塗装は、ひと昔前までは住宅の外装材の主流でした。

しかし耐用年数の長い他の製品が手頃な価格で出回ってきたため、現在ではあまり使用されなくなりました。耐用年数は、6年~8年とされています。

耐用年数の時期がきたら、屋根の上を点検して、必要に応じて再塗装を施すことで、物置の寿命を延ばすことができます。

扉はスムーズに可動するの?

イナバ物置の扉は、上下レールとも滑りやすく耐久性に優れたアルミの押出し型材を使用しています。

また強く閉めた際の跳ね返り防止として下部のレールには戸車落としを加工しています。

さらに扉の召し合わせ部に跳ね返り防止用のキャッチ機能(特許申請中)を取り付けています。

また扉に隙間があると外部から埃が侵入する原因になるため、シール材やパッキンで埃の侵入を軽減しています。

収納はどうなの?

イナバ物置は、長さ25㎝のバーにフックが2個ついていて、ガーデニングやカー用品などの小物を便利に収納できるように工夫されています。

また棚板の高さは、棚フックで簡単に調整が可能です。

調整ピッチは5㎝単位で行えます。棚板強度も1平方メートル当たり200㎏~250㎏までの積載荷重をささえることができます。

その他にどんな機能があるの?

イナバ物置は、自分で物置を組み立てた場合でも、ネジ式で調整できるアジャストベースがあるので、高で簡単に水平に設置できます。

また換気は鴨居部分から屋根前部の化粧ガラリに抜け、埃防止の機能も備えています。

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ヨド物置

ヨド物置は、株式会社淀川製鋼所が製造販売する物置です。

会社名は「ヨドコウ」の略称が定着しています。

1935年創業の淀川製作所は、当初、溶融亜鉛めっき鋼板のメーカーとして発足し、現在はヨド物置シリーズやカラー鋼板の製造をメインにしています。カラー鋼板については業界1位です。

この鋼板メーカーである利点を生かして、物置業界で唯一、鋼板(圧延、めっき、塗装)から製品までの一貫生産を行っています。

どんな構造なの?

ヨド物置の部材はガリバリウム鋼板で構成されています。

ガルバリウム鋼板とは、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%で、アルミニウムと亜鉛両方の性質を活かした新素材です。

従来のトタン板(溶融亜鉛めっき鋼板)の数倍も耐久性に優れています。

この丈夫なガリバリウム鋼板を自社で製造しているところが、ヨド物置の大きな特徴です。

ガリバリウム鋼板に塗装はどうなの?

ガルバリウム鋼板のめっき層は、アルミニウムと亜鉛が網目状に形成されています。

犠牲防食作用で亜鉛が溶け出した部分を、アルミの生成物が埋めてゆきます。これが自己修復作用です。

ガルバリウム鋼板はアルミニウムと亜鉛がバランスよく機能する組成となっており、サビへの強さから、現在多くの建築用外装材に使われており、長期に渡って鋼板をサビから守っています。

ヨド物置は、このガルバリウム鋼板の上に、美しく耐候性に優れた焼き付け塗装を施したプレコートカラー鋼板を用いています。

扉のレールがないの?

ヨド物置はベアリング入り戸車で動く上吊り式扉です。

基本的に下部にレールがないので、積雪の隆起によって床が持ち上がり扉が開閉できないという弊害を避けることができます。

またレールがないため、内部の埃や泥の掃き出しも容易に行えます。

また3枚扉タイプは、開口部も大きく開くので、2枚扉で生じる中央部の出し入れの障害も、簡単にクリアできます。

扉は鍵がなくてもきちんと綴じる仮ロック機能付きです。仮ロックは、自動式と手動式のどちらかを選択できます。

また扉の召し合わせには、埃や雨水を防止するパッキンが取り付けられています。

収納はどうなの?

ヨド物置の棚板は前後に分離しています。さらな左右もLサイズとSサイズの棚に分かれています。

これらの棚を組み合わせることによって、実情に合わせた棚が自由に配列できます。棚板高さの調整は、10㎝間隔です。

他にはどんな機能があるの?

ヨド物置は、雨水がスムーズに流れるよう屋根に前傾斜をつけて、屋根前面に軒樋、壁の左右に竪樋が取り付けられています。

また夜間も使用できるよう壁面に懐中電灯が掛けられるフック付きのタイプもあります。

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タクボ物置

タクボ物置は、株式会社田窪工業所が製造販売する物置です。

1946年創業の田窪工業所は、物置や台所用収納棚などの一般家庭向けを中心とした金属製品の製造・販売を手がける会社です。

鋼板製物置の分野においては、稲葉製作所や淀川製鋼所と並び、業界大手の一角に数えられています。

どんな構造なの?

タクポ物置は、住宅の在来工法のように、柱とパネルの組み合わせによってねじれに強く頑丈な構造に仕上げています。

柱には日鉄日新製鋼株式会社が開発した「溶融亜鉛+アルミニウム+マグネシウム」の合金メッキ鋼板、ZAMが使われています。

塗装はどうなの?

タクボ物置のパネルは、焼付塗装が行われています。

焼付塗装とは、塗装皮膜の樹脂に100℃以上の熱をかけ、焼き付けることによって皮膜が硬化する塗料です。サビに強い塗装法だとされています。

開口部はどうなの?

タクボ物置の開口扉は吊り戸方式です。ベアリングローラによって滑らかで静かな開閉を実現しています。

扉には背の高さに関係なく、どの位置からでも開閉ができる把手を採用しています。

下レールにはサビに強いアルミ材を使用しています。掃き出し箇所があるので掃き掃除もスムーズです。

また人が入っているのに仮ロックされた場合、中から解錠できるエマージェンシーノブになっています。

収納はどうなの?

タクポ物置の収納は、お好みの位置に調整可能な5㎝単位で調整が可能です。また便利なアルミフック付きです。

その他の特徴は?

内部に電気を引き込みたいときのために、コードホールが備わっています。

また雨水による隣家とのトラブルを回避するために、軒樋と竪樋が標準装備されています。

物置メーカーのまとめ

ここまで鋼板物置の大手メーカー3社の特徴を比較してきましたが、いかがでしたでしょうか。

価格は、一般的にはタクボ物置がやや安いとされていますが、これも販売店のセール期間や在庫状況によって変動します。

そもそも、それぞれ仕様やサイズが微妙に異っているので、単純に比較することができないのです。

性能が類似しているように思える物置ですが、各メーカーそれぞれ独自の進化をしています。

物置を購入する際は、性能、サイズ、価格を勘案しながら、最も条件にあったものを選択しましょう。

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