バルコニーは開放的な外の空間でゆったりとした時間を過ごしたり、園芸を楽しむ、洗濯物を干すなどさまざまな用途に便利に使える場所です。
新築やリフォーム、またマンション選びなどで、魅力的なバルコニーを持つことを考えている方もいるのではないでしょうか。
バルコニーと一言でいっても形状や用途など種類もさまざまにあります。また、作りや素材の仕様によって、バルコニーの使い勝手が変わってきます。
バルコニーは長く使っていくものですし、後から後悔するようなことはなるべく無い方がいいですよね。
今回は快適なバルコニーを持つために、知っておきたい基礎知識をご紹介していきます。
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////バルコニーって何?
開放感のある空間で太陽の光が射すなか洗濯物を干したり、夜は星を見上げながら会話を楽しんだりできるバルコニーですが、ベランダやテラスとの違いは何なんでしょうか。
違いや種類を知っておけば、施工する業者や不動産との打ち合わせもスムーズにできます。
まずは実際に自分が付けたいものがどういうものなのか確認していきましょう。
ベランダ
2階以上で縁や柵があり室外に張り出している、屋根におさまる部分をベランダと呼びます。
屋根があるので天候に左右されずに外に出ることができ、広さにもよりますが雨の日に洗濯物を干したりもできます。
日本家屋の場合、1階部分の縁側もベランダにあたりますが、基本的には2階以上の部分を指す言葉です。
バルコニー
一般的に室外に張り出している、手すりの付いたひさしや軒など屋根のない2階以上の部分をバルコニーと呼びます。
また、室外に張り出さずに屋根の上に設けるバルコニーが、ルーフバルコニーやインナーバルコニーです。
屋根が無いということが、ベランダとの区別をつけるポイントですが、バルコニーとベランダは建築が多様化してることもあり、厳密に区別することが無くなってきています。
テラス
1階部分の室外に張り出している部分に作っている床や場所のことをテラスと呼びます。
ウッドデッキなどもこれに含まれます。
マンションなどで屋根のないバルコニー部分をテラスと呼ぶ場合がありますが、基本的には1階部分のスペースを指します。
////バルコニーの種類をご紹介
理想的な使い方や広さなどのイメージは持っていても、いざそれを伝えようと思っても上手く伝えられないことがあります。
形状や用途などによってバルコニーは名称が異なります。
ここからはバルコニーが持つ特徴を踏まえながら紹介していきます。
それぞれの特徴や種類を知ることで、ライフスタイルに合ったバルコニーを手に入れるための知識を得ていきましょう。
それでは、バルコニーの種類を見ていきます。
回りバルコニー
一般的にイメージするバルコニーは直線的なものですが、L字など家を囲むような形状のものを回りバルコニーと言います。
回りバルコニーは異なる方角に繋がっているので、違った景色を眺めることができ、より開放感が得られる特徴があります。
マンションなどでは角住戸にのみ、回りバルコニーが設けられます。
ルーフバルコニー
屋根の上に設けられるバルコニーをルーフバルコニーと呼びます。
張り出しのバルコニーよりも広い面積のものが多く、ゆったりとしたスペースを持つことができる特徴があります。
テーブルやイスを置いたり、園芸を楽しんだり、子供プールを置いたりなどさまざまな用途に使用できます。
また、ルーフバルコニーはマンションなどでもよく見られる形態で、開放的な空間を手に入れることが可能です。
広いバルコニーをイメージしている方におすすめです。
スカイバルコニー
屋上に設けられるバルコニーがスカイバルコニーです。
ルーフバルコニーの中でも、屋上にバルコニーを設ける場合にスカイバルコニーと呼ぶことがあります。
屋根部分がフラットなことから、太陽の熱をそのまま受けてしまい階下が熱くなったり、雨漏りの危険性などもあるので、対策をしっかりと行う必要があります。
また、他のバルコニーも同じですが、定期的なメンテナンスは欠かせません。
インナーバルコニー
屋根がついたルーフバルコニーのことをインナーバルコニーと呼びます。
屋根がついていたらベランダではないの、と思われるかもしれませんが基本的に張り出しではなく、階下の屋根部分に床部分がくるので、バルコニーの種類として分類されています。
隣り合う室内と一体感を持たせることができるので、開放的な空間を演出することができます。
ただ、部屋が奥にあるので、採光など気をつけなければいけない面も持っています。
サービスバルコニー
一般的にエアコンの室外機や、物を少し置けるぐらいの狭いスペースを持つバルコニーを、サービスバルコニーと呼びます。
奥行が1m以下程度の広さが多く、外でくつろぐバルコニーというよりは、ゴミを外に出しておくなど、ちょっとしたことに利用できるスペースとしての役割を持っています。
////バルコニーを使いやすくする仕様とは
バルコニーは洗濯を干したり、園芸を楽しんだり、子供の遊び場になったりと色々なシーンで使われていきます。
バルコニーを実際に使った時に、こんなはずじゃなかったとならないために、仕様を選ぶ時のポイントを見ていきましょう。
バルコニーの手すり
建築基準法によってバルコニーには、幅が100cm以上、高さが110cm以上の手すりを付けることになっています。
手すりは安全に暮らしていくためだけでなく、家の美観を少なからず担う部分です。
また、布団を干すのにバルコニーの手すりを使うなどの用途も考えられます。
バルコニーの使い勝手の良さや、家の表情をつくる手すりの種類を見ていきましょう。
手すりのみのバルコニー
壁を立ち上げて上部に金属のカバーを取り付けた手すりだけのバルコニーは、外壁と同じ仕様にできるために統一感のある雰囲気を持たせることができます。
また、壁の厚みが20cmほどあるので、守られている安心感も持つことができます。
ただ、布団を干すときにはその壁の厚みが厄介になります。
風で飛ばされたり、下に落とさないようにするために布団バサミを使いますが、壁の厚みと布団の厚み分を広げようと思うとある程度の力が必要になります。
それから手すりに汚れが付きやすく、布団を干す前には拭かなければなりません。
道路に面した場所だと、壁の汚れが布団につかないかということも気になってくるでしょう。
トップレール付きのバルコニー
立ち上がっている壁の上部にレールを取り付けたのが、トップレール付きのバルコニーです。
家の外観との一体感や安心感を保ちながら、レールが付いていることで布団バサミを楽に取り付けることができます。
新築の場合、住宅会社によってはトップレールが標準装備になってることもあるので、布団をバルコニーで干したいと思っている方は、トップレールを取り付けることで労力を抑えることも可能です。
スチール製の手すり
風通しがよく、見た目もすっきりできるなどの特徴を持つのがスチール製の手すりです。
縦のフレームが主体になっているものと、横のフレームが主体になっているものがあります。
横のフレームを主体にしたものはモダンな雰囲気をだせるため、人気を集めています。
スチールは頑丈な素材なので、細くても強度があり、モダンな印象を家に持たせることができます。
布団を干す際もフレーム部分を掃除でき、汚れが布団に付かず清潔です。
ただ、壁を立ち上げているのではなく隙間が多いため、小さいお子さんがいるときには、網を張るなどの工夫をして落下などの事故にならないよう注意しましょう。
また、キズや塗装が落ちてしまった場合には、そこからサビが発生するので、そうなる前にメンテナンスが必要になってきます。
木の手すりを使ったバルコニー
天然木や人口木などナチュラルな質感を持った種類の素材を使って、家の外観にアクセントを加えるということもできます。
天然木の場合は、色あせやささくれなどが起きてくるために、定期的なメンテナンスが必要になってきます。
また、そういった劣化があるために布団を干す際にはおすすめできません。
人口木の場合は、樹脂を混ぜてできているので、劣化が起きにくいですが、色あせはやはり起こってしまいます。
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バルコニーの床材
屋外で快適に過ごすためには、バルコニーの床材も重要なポイントになります。
バルコニーの床材は素材によって見た目が変わるだけでなく、機能や扱い易さなどそれぞれに特徴を持っています。
バルコニーに使用される床材の素材を種類ごとに見ていきましょう。
天然木床材
バルコニーには基本的に屋根が無く、雨や風、紫外線にさらされています。
ウッドデッキなどに使われる天然木は劣化しやすい素材ですが、質感や見た目がよく、バルコニーを室内から延長した広々とした空間として使うことができます。
天然木はハードウッドやソフトウッドといった種類に分けることができ、価格帯は高くなりますが高耐久なハードウッドを選ぶことで長く使っていくことも可能です。
雨で床が濡れているときには滑りやすいので注意が必要になります。
人工木床材
木の質感や見た目を樹脂を使用することで、再現したのが人口木の床材です。
樹脂で木の形状を模したものや、木の粉と樹脂を混ぜ合わせたものを固めたものがあり、防水に優れ耐久性のある床材にしています。
バルコニーと室内の雰囲気を合わせることができ、天然木と同じように広々とした印象を得ることができます。
紫外線などで色あせなど劣化してきますが、再塗装などのメンテナンスや交換することで対応していきます。
樹脂製床材
非常に軽量で耐久性が高い特徴を持っているのが、樹脂製の床材です。
人口木と同じように防水の性能が高く、熱伝導率が低いので環境による床面の温度変化が少ない素材です。
樹脂は軽量なのでバルコニー部分の重量を抑えたい場合によく採用されます。
また、加工しやすいのでデザイン性を持った製品も多くあり、好みで選ぶことができます。
金属製床材
軽量でサビに強いアルミは、加工がしやすく耐久性が高い特徴があります。
ただ、熱の伝導率が良いため、夏は熱くなり、冬は冷たくなるというデメリットも持っています。
耐久性の高いアルミですが、汚れなどがついていると腐食の原因にもなるので、定期的な清掃が欠かせません。
タイル系床材
陶器のタイルを使用した床材で、防水性能が高く耐久性に優れている特徴を持っています。
デザインも多くあり、バルコニーの雰囲気を作り出すことができます。
床材として優秀な素材ですが重さがあるので、施工する場所によっては使用できない可能性もあります。
掃き掃除や洗浄など日々のメンテナンスは簡単ですが、目地部分に割れなどが起きた場合には業者に修理を依頼する必要があります。
バルコニーの防水
手すりや床材の種類を見てきましたが、バルコニーで重要なのが防水です。
しっかりとした防水性能を持たせないと、雨漏りの原因になってしまいます。
定期的なメンテナンスが必要なため、バルコニーの防水工法でよく使われるFRP防水工法とウレタン防水工法について、見ていきましょう。
FRP防水工法
新築のバルコニーで、多く採用されているのがFRP防水です。
耐水性能が高く、プラスチックの中でも強度があり耐久性に優れている特徴を持っています。
また成形がしやすく、硬化も早いので短い工期で完成します。
FRPは軽量で、住宅に負担がかからないのも特徴です。
木造住宅のバルコニーに向いていますが、あまり広いと木の収縮でひび割れが生じる可能性があります。
それから、紫外線にも弱いので5年から6年に一度、トップコートの塗り直しが必要です。
10年から12年は機能するので、それを目安にバルコニーのリフォームをするようにしましょう。
なお、鉄の下地の場合には施工することができません。
ウレタン防水工法
弾性のある防水層で雨水を防ぐのがウレタン防水です。
あらゆる形状に対応することができ、継ぎ目のない防水層を作ることができるのが特徴です。
FRP防水とは違い、下地の種類に関係なく施工でき、既存の防水層の上からでも塗っていくことができるので、廃材が少なくてすむという利点もあります。
ウレタンは均一に塗っていくことが難しいため、専門の職人や経験のある職人に施工を依頼する必要があり、硬化まで時間が必要なので工期も長くかかります。
また、紫外線や熱に弱く、下地の動きに対応できなかった場合、破れなどが生じる可能性があります。
10年から14年は機能しますが、破れや亀裂などの症状が出た場合にはリフォームが必要です。
バルコニーを活用する方法
バルコニーを手に入れたけど、実際そんなに使えてないというのでは、もったいないですよね。
ここではバルコニーを活用する方法をご紹介していきます。
マンションではバルコニーが共用部分となるので、その注意点も合わせて見ていきましょう。
バーベキューやパーティー
開放的な空間があるバルコニーは、家族や友達とのバーベキューやパーティーのスペースとして使うことができます。
海や川、山などでするバーベキューとは気分も変わって、落ち着いた雰囲気で料理やお酒を楽しめます。
また、昼間は太陽の日差しを受けながら、夜は星や夜景を見ながらと、時間帯を変えることで雰囲気も変わって飽きのこない空間を作ることも可能です。
ルーフバルコニーであれば、近隣の視線なども気にすることなく、ゆったりと過ごせておすすめです。
ただ、マンションの場合は規則で、バーベキューをバルコニーで行えないところがあります。
まずはしっかりと確認するようにしましょう。
また、規則がない場合でも近隣に配慮して行うようにする必要があります。
園芸を楽しむ
日当たりの良いバルコニーは、植物を育てるのに最適の場所です。
お気に入りの花や草木をバルコニーに置くことで、プライベートな庭園を演出することができます。
緑のある空間は人を和ませる効果があり、バルコニーに出る楽しみも与えてくれます。
植物を枯らしてしまった経験から、育てるのが苦手と思ってる方も、これを気に新たに始めてみてはいかがでしょうか。
そしてマンションの場合ですが、植物をバルコニーに置いてはいけない規則や高さを制限する規則など、マンションによっては規制を設けている所があります。
また、緊急の際に使う避難ルートなどがバルコニーにはあるので、規則が無い場合もその周辺には鉢などを置かないようにしましょう。
ペットと遊ぶ
広いスペースを囲ってあるバルコニーは、ペットを自由に遊ばせる空間としても活用できます。
ジャンプ力のあるネコなどは、手すりに登らないように注意が必要ですが、小型の犬の場合には安心して遊ばせることができます。
ただ、万が一のことがないように、目を離さず一緒に遊ぶようにしたほうがいいでしょう。
マンションの場合、ペットを飼うことや放し飼いにするなどの規則がある場合があります。
マンション選びの際には、バルコニーの利用に関しての規則もチェックするようにしましょう。
のんびりくつろぐ
バルコニーにイスやテーブルを置いて、日中や夜にゆったりと過ごせる空間を作ることもおすすめです。
自宅で仕事をしている方は、気分転換にバルコニーで仕事をするなんてことも考えられます。
また、お茶を飲みながら外での読書をしたり、夜はゆったりお酒を飲みながら星を見上げるということもできます。
ちょっとした非日常の時間を過ごすことで、心も体もすっきりとリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
バルコニーのまとめ
ここまでバルコニーの基礎知識をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
バルコニーには開放的で快適な空間があり、ライフスタイルを大きく変えてしまうほどの魅力を持っています。
今回の基礎知識を参考にどういったバルコニーが欲しいのか、あらためて考えてみるのもいいでしょう。
また、そこから快適にバルコニーを使用していくために、必要な仕様を挙げていくことをおすすめします。
満足できるバルコニーを手に入れて、毎日を楽しく過ごせる空間つくりをしていきましょう。
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