外構工事を考える時に、その外構素材として「セメント」や「コンクリート」といった用語が出てくると思います。
そのふたつは厳密に何が違うのかをご存知でしょうか。ここではセメントとコンクリートは何が違うのか、外構で使用する場合には何に注意すればよいのかを解説します。
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////セメントはコンクリートの原料
セメントはコンクリートの原料のことで、それ単体で使われることはありません。コンクリートはセメントを固めたものであり、セメントは単なる素材にすぎません。
コンクリートはセメントを固めたもの
まずコンクリートですが、これはセメントと砂、砕石や砂利を混ぜて水で固めたものです。セメントは石灰石や粘土が原料となり、水と反応することで固まる性質があります。
セメントそのものは灰色の粉なので、これ自体は外構に使えるものではありません。必ず水に混ぜて使うことで固まる素材になります。
コンクリートとモルタルの違い
コンクリートと同じように、「モルタル」もセメントに水を加えて固めたものです。外構ではよく使われるものですが、セメントとは異なります。
セメントに水と砂や砕石を加えるコンクリートに対して、モルタルは水と砂しか加えません。そのため、コンクリートよりも強度は劣りますが柔軟性が生まれます。
モルタルの用途としては、その柔軟性を生かしてレンガやブロックを積み上げる時の接着に利用します。
あるいはタイルの下地にするなど、外壁そのものとして使うよりも接着剤として使うケースが多いと言えます。
////セメントの種類
セメントにはいくつかの種類があるので知っておくと役立ちます。
ポルトランドセメント
一般的にセメントと言えば、このタイプを指します。セメントの材料を配合する割合を変えることで、固まる早さや強度を変えることができます。
さらに流通しているセメントのおよそ70パーセントを占めるのが「普通ポルトランドセメント」です。
固まるまでに3日ほどかかりますが、ほかに1日で硬化する「早強ポルトランドセメント」と、さらに短い時間で硬化する「超早強ポルトランドセメント」があります。
混合セメント
混合セメントはポルトランドセメントのほかにさまざまな混合材を含めたものです。混合材としては「高炉スラグ」と「フライアッシュ」、「シリカ質混合材」の3種類があります。
建築や土木工事に使用されますが、用途に応じてそれぞれの混合率も変えたA種とB種、C種が用意されています。
エコセメント
焼却灰などの廃棄物を主原料としているセメントです。塩素がわずかに多いことを除いては、普通ポルトランドセメントと同等の性質を持っています。
そのため用途も、建築や土木などあらゆることに対応します。
////セメントの購入方法
外構工事でセメントは何かと使用する機会があります。そのため、購入方法もいろいろとあるので、簡単に入手できるでしょう。
たとえば楽天市場などのネット通販サイトやホームセンターの通販サイト、セメント販売会社などで購入できます。安いものであれば、25キログラム入りで500円ほどで販売されています。
駐車場など広い範囲で使用する場合には、すでに水などが配合された生コンクリートとして購入することもできます。その場合にはミキサー車もレンタルする必要があります。
セメントを外構に使う方法
DIYでセメントを外構に使用する場合にはモルタルにして、壁に塗ったりレンガなどを積み上げたりする際に使用するケースが多いと思います。
その場合にはセメントのほかに砂と水、そして混ぜ合わせるためのバケツやスコップ(あるいはシャベル)が必要です。
砂と水の配合量はセメントの入った袋に書かれていると思いますが、セメント1に対して砂を3の割合で配合し、水を適量加えるといった形になります。
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コンクリートの種類
コンクリートは定義として、「骨材を整合材(セメント)で固めた複合素材」となっています。実は整合材の違いによりコンクリートもいろんな種類があります。
結合材による違い
結合材、つまり骨材を固めるための整合材によってコンクリートを分類することができます。一般的なコンクリートといえば、セメントを結合材に使用するセメントコンクリートのことを指します。
それに対して「アスファルト」を結合材として使用するアスファルトコンクリートがあります。
アスファルトとは原油に含まれる炭化水素類のことですが、石油の精製過程で生じる粘性の高い液体状態になっています。アスファルトコンクリートは主に道路舗装などに使われます。
あるいは樹脂材であるポリマーなどを結合材に使用する「レジンコンクリート」というものもあります。強度と防水性が高く耐久性に優れていることから、上・下水道や地下構造物などの材料として使われます。
骨材による違い
結合材ではなく、水と一緒に混ぜる骨材の違いによっても、コンクリートはいくつかの種類に分類されます。
使用するのが川砂利なのか砕石なのかによっても異なります。あるいは軽量コンクリートや重量コンクリートというものもあります。
軽量コンクリートと重量コンクリートの違いはその単位体積重量にあります。普通コンクリートは重量コンクリートに含まれます。
・普通コンクリート 23kN/m3
・軽量コンクリート1種 19kN/m3
・軽量コンクリート2種 17kN/m3
軽量コンクリートは建物の躯体などには使われず、床の防音や屋根の防水抑えなどに使われます。
さらに強度を高めた高強度コンクリートというものもあります。
コンクリートの購入方法
コンクリートはセメントを固めて作るものですが、すでに成型されたコンクリートを購入することもできます。それが「コンクリートブロック」です。
外構ではこのコンクリートブロックも何かと役に立ちます。
コンクリートブロックは通販やホームセンターで購入できます。1個単位でも複数個セットでも販売されています。
個数が多い場合には資材業者のオンラインショップを利用するとよいでしょう。
コンクリートを外構に使う方法
外構ではコンクリートをさまざまな用途で使用できます。
駐車場
駐車場やカーポートでは、耐久性の高さなどを理由にコンクリートが使われるケースが多いものです。
アスファルトにするケースも考えられますが、費用が安い反面耐久性が低いことと、施工時に臭いが発生することなど課題もあります。
駐車場にコンクリートを施工する場合には、土を掘削して砕石を敷き、下地固めをしてからコンクリートを流し込みます。
玄関アプローチ
洋風かつスタイリッシュな雰囲気の外構にしたい場合には、玄関アプローチをコンクリートにするケースがあります。
駐車スペースも一緒であれば、統一感も生まれます。施工手順は駐車場と同じになります。
門柱
コンクリートは床に使うだけではありません。そのスタイリッシュなデザインを生かして、門柱にも利用されます。
コンクリートブロックを積み上げた上からセメントを塗って表面に凹凸をつけることで、おしゃれな門柱にすることもできます。
まとめ
セメントはコンクリートの原料と覚えておくとわかりやすいと思います。外構で使用する場合には、購入できるものとしてセメントとコンクリートブロック、生コンクリートの3種類があります。
DIYで使用する場合には、セメントからコンクリートあるいはモルタルを作る必要があるので、砂や砕石の配合割合などを適切な量にするといった注意点を把握しておきましょう。
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