家の周りをガッチリと守ってくれる印象のコンクリートブロック塀。外構工事で検討する方も少なくないでしょう。
ところでコンクリートブロック塀にはどのような魅力や注意点があるかご存知でしょうか。
今回は導入を検討している方にもぜひ知っていただきたい、コンクリートブロック塀のメリットとデメリットを詳しく解説します。
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////コンクリートブロック塀とは
まずは外構工事でも人気があるコンクリートブロック塀が、どのような特徴を持っているのかをご紹介します。
コンクリートが材質のブロック塀のこと
コンクリートブロック塀はコンクリート製のブロック塀です。ブロック塀とは、ブロック建材を積み重ねて作る塀であり、プライバシーの確保などに役立ちます。
コンクリートブロック塀ではどんなコンクリートブロックでも使えるというわけではありません。
使用できるのは、「JIS A 5406(建築用コンクリートブロック)の規定に適合するもの」と定められています。
コンクリートブロック塀の内部には縦横に鉄筋が埋め込まれ、内部の隙間にはモルタルが充填されています。
さらに基礎部分は地中に埋め込まれますが、これらの構造に関しては建築基準法で細かく規定されています。
コンクリートブロック塀の規定
コンクリートブロック塀を作るうえで、その安全性を確保するために「建築基準法」で以下のような規定が設けられています。
- 鉄筋コンクリート造の基礎を設けること
- 基礎は地中30cm以上埋めること(40cm以上を推奨)
- たて筋間隔は高さ1.6m以下で80cm以下、高さ1.6mを超えるなら40cm以下(空洞ブロックの場合)
- 化粧ブロックの場合はたて筋感覚はブロックの長さにより60cm以下あるいは45cm以下に
- 塀の厚さは120mm以上(高さが2mを超える場合は150mm以上)とすること
化粧ブロックが配筋における規定が厳しいのは、通常のブロックよりも重いからです。
コンクリートブロック塀のメンテナンス
コンクリートブロック塀は耐久性が高いものの、経年による劣化はあります。その耐用年数は30年ほどですが、適度なメンテナンスが必要です。
劣化の原因は風雨にさらされ、降雨や降雪により内部に水が入ることです。内部に入り込んだ水は鉄筋を錆びつかせ、コンクリートにひび割れを生じさせます。
そこでまずは、コンクリートに防水処理を施しメンテナンスをすることが必要です。
まず防水処理ですが、定期的な塗装により施します。コンクリートブロック用の塗料はいろいろとありますが、安いものは耐久性があまりないため、短期間での塗り直しが必要です。
また通気性の良いものでなければ、コンクリート内の水分が外部に出なくなってしまいます。そのため、通気性のある水性塗料がおすすめです。
普段のメンテナンスとしては、ブロックに欠けや割れが発生した際の補修があります。
それほど大きくない場合には、自分でコンクリートブロックの補修材を使うことで対処できます。大きな欠けや割れがあれば、業者に依頼しましょう。
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////コンクリートブロック塀のメリット
それでは、コンクリートブロック塀にはどのようなメリットがあるのかを解説します。
プライバシーを確保できる
コンクリートブロック塀のメリットとしてまず挙げられるのが、外部の視線からプライバシーを確保できることです。
同じ外構工事で施工されるフェンスとは違い、隙間がないのがブロック塀の特徴です。
そのため、人通りの多い道に面した家であれば、外からの視線を気にせず窓を開けることができます。
注意点として、コンクリートブロック塀は高さが2.2m以下にすることと建築基準法で定められていることです。また、高くしすぎると防犯面で問題が生じます。
プライバシーの確保と防犯性のバランスを考慮して、高さを決めることが大切です。
防犯に役立つ
防犯に役立つのも、コンクリートブロック塀を設置するメリットです。
これは侵入されにくいというよりも、ブロック塀を乗り越える行為そのものがリスクを伴うものであると認知させることが理由です。
そのため、防犯性を考えてコンクリートブロック塀を設定する場合には、あまり高くしないのがポイントとなります。
ブロック塀を高くしてしまうと、万が一乗り越えて侵入された場合には死角が生まれてしまうからです。
防災・防火に役立つ
コンクリートブロック塀は隣家からの出火に対して家屋を守る役目も果たします。つまり防災性・耐火性があることもメリットとなります。
ただしコンクリートは基本的に、耐火性能はそれほど高くありません。そのため、設置するコンクリートブロック塀によって次のように耐火性は変わります。
- 鉄材で補強されブロックの厚さが8cm以上かつ鉄材へのかぶり厚が5cm以上なら2時間耐火
- 鉄材で補強されブロックの厚さが5cm以上かつ鉄材へのかぶり厚が4cm以上なら1時間耐火
防風に役立つ
フェンスとは異なり隙間がないコンクリートブロック塀は、防風性に優れていることもメリットと言えます。
車の往来が多い道路に面した敷地の場合、その粉塵が風に乗って庭に入り込んでしまいます。コンクリートブロック塀を設置することで、そのような粉塵や埃などを防いでくれます。
ただし風通しは悪くなるので、粉塵などが気にならないのであればフェンスを検討してもよいでしょう。
////コンクリートブロック塀のデメリット
続いて、コンクリートブロック塀を設置するとどのようなデメリットがあるのかを説明します。
地震で倒壊する可能性がある
まずコンクリートブロック塀で注意が必要となるのが、地震の発生により倒壊する可能性があることです。
2018年6月の大阪北部地震でブロック塀が倒壊し、通学途中の女児が巻き込まれるという痛ましい事故が起きました。
コンクリートブロック塀の設置において、建築基準法でこまかな規定が設けられています。しかしこれは最低限必要なものなので、さらに強度を増すよう設計することも大切です。
そもそもコンクリートブロック塀は高さに対して厚みがないため、横からの力に弱いという特性があります。
これを念頭に置いて、基礎部分はできる限り地中に埋めるなどの配慮が必要です。
メンテナンスをしなければ寿命が短くなる
コンクリートブロック塀は30年ほどの寿命と言われますが、適切なメンテナンスを施さないと寿命が15年から早ければ10年ほどになってしまいます。
メンテナンスの方法はすでにご紹介しましたが、その費用がかかる点はデメリットと言えるでしょう。
また塗料はさまざまな価格のものがありますが、耐久性を考えるとあまり安いものはおすすめできません。
ひび割れなども放置しておくと業者に修理をお願いすることになるので、こまめにチェックする必要があります。
耐火性はあまり高くない
フェンスと比べればコンクリートブロック塀は隣家からの出火に対して家を守ってくれますが、その耐火性は決して高くありません。
鉄材を併用することにより、ある程度の耐火性が確保できることを知っておきましょう。もちろん施工費用はかかりますが、万が一の備えとして考慮することも大事です。
まとめ
コンクリートブロック塀はプライバシーの確保や粉塵などを防ぐ効果がある反面、メンテナンスにお金がかかり倒壊に注意しなければなりません。
メリットとデメリットはいろいろとありますが、その特性を考慮したうえで施工を検討するとよいでしょう。
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