家の外構などでコンクリートを使用する場合、表面が白くなっていることはないでしょうか。
これは単なる汚れではなく「白樺現象」と呼ばれるものです。コンクリート内部の水酸化カルシウムが表面に出てくるのが原因となります。
見た目にも気になるものですが、この白樺はそのまま放置しておいてもよいのでしょうか。また予防するならどのような方法があるのか気になると思います。
そこでコンクリートの白樺現象の原因とその影響、予防方法などを詳しく解説します。
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////コンクリートの白華現象とは?
コンクリートの白華現象とは、コンクリートが白くなっている(白い粉がついている)状態のことです。
白華現象は改善する?
コンクリートの白華現象は見た目でコンクリートが白くなっている状態のことです。
壁であれば白い線状に垂れたような形になりますし、床では横に広がるような形で白い筋のようなものが出現します。
「エフロレッセンス」とも呼ばれる現象ですが、白い塊のようになっているので簡単には落とせそうもありません。
白華現象が起こりやすい場所と時期
コンクリートの白華現象が起こりやすいのは日当たりのよい場所、南向や西向となっている場所です。
では暖かいことが条件なのかというと、そうでもありません。乾燥していれば問題はないのですが、湿度の高い夏場というのが発生原因のキーワードになります。
また時期としては夏場よりも冬場の寒い時期のほうが、コンクリートの白華現象は発生しやすいとされています。
日当たりのよい場所はコンクリート内部の水分が急速に蒸発すること、そして寒く気温が低い時期では雪や雨で湿度が高いことが白華現象の発生しやすい条件となります。
白樺現象には2種類ある
コンクリートの白樺現象には2種類あります。ひとつは表面のみに発生するだけで自然に消滅するタイプ、そしてもうひとつは除去しても再発するタイプです。
表面にのみ発生して自然に消滅するタイプの白樺は、目地材などのセメントに発生することが原因になります。
対して何度も再発するタイプはコンクリートの内部から発生していることが原因です。
////コンクリートの白華現象が起きる原因
コンクリートの白華の正体は大気中の二酸化炭素と化学反応を起こしたコンクリート内部の水酸化カルシウムです。
白華現象が起こる原因は、コンクリートのひび割れなどから内部に侵入した雨水などに、コンクリート内の水酸化カルシウムが溶け出すことにあります。
溶け出した水酸化カルシウム二酸化炭素に反応し、移動して表面に現れることで白く筋状となって残ります。
特に工事直後のコンクリートは水分の蒸発が始まりますが、高い湿度にあると大気中の水分を吸収するようになります。
そこでコンクリート内部の水酸化カルシウムが大気中の水分に含まれる二酸化炭素と反応し表面に出現するというわけです。
////コンクリートの白華現象の問題点
コンクリートの白樺現象は何か問題を引き起こす原因になるのでしょうか。
見た目が悪くなる
単純にコンクリートの白樺現象は、見た目が悪くなるというデメリットにつながります。簡単に削ぎ落とすことができなければ、そのまま放置することにもなりかねません。
単に見た目だけの問題であれば、どのように除去するのか、あるいは塗装などでごまかせるのかを考えることになるでしょう。
コンクリートの強度に影響する?
化学反応が原因で発生する白樺現象は、コンクリートの強度に何らかの影響を及ぼすのではないかと心配するかもしれません。
白い塊そのものは、実は有害なものではありません。そのまま放置しておいても、見た目は悪くなりますが問題はないということです。
ただし白樺現象の原因がコンクリート内部に入り込んだ水分であることには問題があります。
その水分がさらに深く入り込み、鉄筋に付着すれば鉄筋が錆びる可能性があるからです。
鉄筋が錆びると強度に影響を及ぼします。さらにその錆びによって鉄筋が膨らむとコンクリートを押し出し、ひび割れや剥がれにもつながります。
そのため、コンクリートの白樺現象は防止するのが望ましいことがわかります。
ただし鉄筋を使用しないコンクリート部分であれば、耐久性に影響することはありません。
表面を除去しても再発することはあるので、何かしらの予防策を講じておけばよいでしょう。
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コンクリートの白華現象の予防と対処方法
見た目だけでなく強度に影響を及ぼすとなれば、どのようにしてコンクリートの白樺現象を予防するかが大事です。
もし白樺現象が起きてしまったならば、どう対処すべきかも知っておいたほうがよいでしょう。
コンクリートの白華現象を予防する方法
まずはコンクリートの白樺現象を予防するための方法をご紹介します。
防水加工を施す
コンクリートの白樺現象を防ぐために何よりも大切なことは、コンクリート内部に水分が入り込まないようにすることです。
主流となっているのは透明な防水材を塗装する方法ですが、下塗りと主材、そして上塗りという形で複層仕上げとなるように加工します。
防水材は一般の塗装のような下地用の塗料を使わないので、耐用年数がやや短い点に注意が必要です。
浸透性塗布剤を使用する
コンクリートへの浸水を防止する方法としては、防水材のほかに「浸透性塗布(吸水防止)剤」を使う方法があります。
浸透性塗布材はコーティングが目的ではなく、表面に塗布して内部に浸透させ、防止層を形成させます。
表面のコーティングが剥げるという心配がないので定期的にメンテナンスをするとった手間がかかりません。
コンクリートの白華現象における対処方法
続いて白樺現象が生じたコンクリートのメンテナンス方法をご紹介します。
酸性洗剤で除去する
手軽に表面を綺麗にする方法としては、酸性洗剤を使って掃除をするやり方があります。
固形化した炭酸カルシウムはアルカリ性なので、酸性の洗剤を使えば除去できます。
バケツに入れた水に酸性洗剤を入れて混ぜ合わせ、ゴム手袋をして雑巾にその水を染み込ませます。雑巾を軽く絞ったら白樺を軽く拭き取れば白樺を除去できます。
白樺除去剤を使う
コンクリートの白樺を除去する溶剤が販売されています。表面への塗布と水洗いという形で使用できるものなので、このような溶剤を使うのもよいでしょう。
ただし酸性洗剤での除去もそうですが、これらはあくまでも表面の白樺を取り除くことが目的です。
コンクリート内部に浸水する原因までを除去できるわけではないので注意しましょう。
まとめ:コンクリートの白樺現象は予防することが大切
コンクリートの表面が白くなる白樺現象は、それ自体に問題はありません。しかしその発生原因により、コンクリート内部の鉄筋が錆びる可能性があります。
ただし家の外構でコンクリートを使用する場合には、鉄筋を使っていなければそれほど深刻に思う必要はありません。
まずは白樺の発生を予防する防水加工を施し、コンクリート内部に浸水しないようにしましょう。
白樺は酸性洗剤などで除去できるので、もし発生してしまっても綺麗に取り除けます。
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