バルコニーの明るさや開放感は気に入っているけど、外出時の急な雨で洗濯物が濡れたりするし、屋根を付けたほうが良いのかなとお考えの方もいるのではないでしょうか。
バルコニーに屋根を後付けすることで得られるメリットは、雨で洗濯物が濡れないことはもちろん、外壁やバルコニーの床材を雨による劣化から防ぐことです。
また、洗濯物を干している時に受ける紫外線もカットすることができます。
ただ、屋根を後付けした際の費用や、外壁に穴を開けて雨漏りは平気なの、といった心配もありなかなか決められませんよね。
今回はバルコニーに屋根を後付けする方法や、費用について見ていきましょう。
////バルコニーに後付けできる屋根の種類
後付けできるバルコニー屋根は、テラス屋根と呼ばれることもあります。
バルコニー屋根は主にR型とF型の2つのタイプがあり、デザイン性や機能性をそれぞれ持っています。
住宅の外観や使い勝手などを考えて選んでいきましょう。
R型(アール型)
屋根の前枠部分が、弧を描くように下に落ちているのがR型(アール型)です。
吹き込んでくる雨を多少防ぐことができ、雪が降ったときには積もった雪が下に落ちやすいメリットがあります。
屋根にアールが付いているので、柔らかで優しい見た目を持っています。
メーカーによってはアールの深さを何種類か用意している場合もあるので、外観に合うものを選ぶようにしましょう。
F型(フラット型)
屋根全体が平らで、すっきりとした印象を持っているのがF型(フラット型)です。
圧迫感がなく開放感があるのが特徴で、見た目も主張しないシンプルさがあり、スタイリッシュな趣があります。
バルコニー屋根の後付けで、デザイン性を重視している方におすすめです。
////バルコニーに屋根を後付けした場合の費用
バルコニーに屋根を設置するときにかかる費用は、本体価格+施工費となります。
バルコニー屋根を後付けする場合、施工費の相場は3万円から5万円です。
安いものであればバルコニー屋根は、7万円程度で用意できるので、約10万円からバルコニー屋根を後付けすることができます。
デザイン性や機能性などにこだわらない場合の費用なので、さらにグレードが高いバルコニー屋根を選ぶ際には、かかる費用も当然上がっていきます。
また、バルコニーの状態や面積の広さなどによっても費用が変動します。
作業の手間などは施工費が上がる要因なので、実際にかかる費用など業者に一度相談することをおすすめします。
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////バルコニーに屋根を後付けする方法
バルコニーに取り付けていく屋根が、どうやって後付けをするのかということを知っておくと、サイズや必要な機能を決める大きなヒントになってくれます。
ここからは、バルコニーに屋根を後付けする方法を見ていきます。まずは、バルコニーの構造を知ることからはじめていきましょう。
構造
バルコニー屋根は屋根部分と柱などの支え部分でできています。屋根部分は、屋根ふき材や屋根おさえ、垂木がけで構成されています。
また、支え部分には柱と桁(けた)があり、サイズを決めるのに重要な部分になります。
桁(けた)は柱同士をつなぎ、屋根に平行に沿う形で屋根を支えます。
バルコニー屋根はサイズを調整する時、この柱や桁は動かさずに屋根部分を動かす奥行移動タイプになっています。
バルコニーのサイズを確認
取り付けたい屋根の大きさなど、まずはイメージしているサイズを計測しておきます。
まず、バルコニーに対してどこまで屋根が必要かを決めて、屋根を設置する部分の長さ(間口)を測りましょう。
また、バルコニーの奥行を確認して、屋根の出幅をどうするか考えておきます。
そして、高さは洗濯物の干しやすさや、家族の身長、雨の吹き込みや景観などを考慮に入れて決めていきます。
屋根を取り付ける際の注意点
場合によってはバルコニーに屋根を後付けできない場合もあります。
住宅の構造
バルコニー屋根は、木材在来工法やツーバイフォー工法、軽量鉄骨造の場合には取り付けることができますが、重量鉄骨造には取り付けることができません。
外壁
割れや欠けなどが起こる可能性があるALC外壁材や、タイル貼りの場合取り付けは難しくなります。
外壁材に関して不安がある場合には、業者に問い合わせしてみましょう。
取り付け位置
バルコニー屋根を後付けする位置に干渉物が無いか確認しましょう。
電線の引き込み口や、雨樋、シャッターなどがある場合、加工して取り付けることができる場合もありますが、屋根を取り付けられない可能性もあります。
また住宅の屋根が斜めの場合、取り付けの範囲が限られる場合もあるので、こちらも確認するようにしましょう。
柱の固定
バルコニーに屋根の柱を固定する際には、柱連結ブラケットと呼ばれる金具を使います。
屋根を取り付ける場所によって、コーナー用や中間部用で形状の違いがありますが、上下2つの金具によって、挟み込む形で1本の柱を固定します。
金具の固定はネジ、柱と金具はボルトで固定するのが一般的です。
屋根の飛び出し
バルコニーに屋根を取り付けるときには、雨の吹き込みが無いように、柱よりも前に屋根を出すようにします。
目安としてはバルコニー壁よりも外側程度が良いので、柱から20cmから30cmほど出すのが強度的にも妥当なサイズです。
バルコニーの壁は厚みがそれぞれにあるので、しっかりと確認してから選ぶようにしましょう。
また、雪が降った時の階下への落雪なども考慮しておく必要があります。
張り出し
バルコニー屋根の横幅に関しては決まりがありませんが、窓から出入りをするさいに雨で濡れない幅にしましょう。
また、洗濯物が雨で濡れないようにできるだけ広い幅を持たせたいという方には、張り出しありのタイプを選ぶことをおすすめします。
通常はバルコニーの幅に合わせますが、張り出しありのタイプはそれよりも横幅にある程度のゆとりを持たせることができます。
柱のないタイプ
バルコニーの開放感を保ったまま、屋根を設置したい場合には、柱のないタイプもあります。
柱の施工なしで直接外壁に屋根を取り付けられ、柱を立てられないバルコニーにも対応することができます。
ただ、サイズに限りがあるので、必要な機能を得られるかよく確認して選ぶようにしましょう。
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バルコニーの様々なオプション
バルコニー屋根のモデルによっては、便利で快適に使えるオプションがあります。
前面パネル
バルコニー屋根の前面に取り付けられるパネルで、雨や風だけでなく外部からの視線などを遮ることが可能です。
急な雨にも対応することができ、部屋の内部や洗濯物などプライバシーを守ることができます。
屋根妻パネル
バルコニー屋根の側面上部に取り付けられるパネルです。
斜めからの雨を防ぐことができます。
屋根本体に加工が必要なので、本体取り付け前に設置を決めておく必要があります。
側面パネル
バルコニー屋根の側面部分に取り付けられるパネルです。
横からの雨や外部からの視線を遮ることができます。
側面全体をパネルで覆うのではなく、側面上部は空く形になっています。
物干しセット
バルコニー屋根に取り付けることができる物干しセットは、洗濯物を干す時に便利なオプションです。
屋根を付けたことで洗濯物を干したり取り込んだりする時に、スムーズにできる位置が変わってきます。
便利な位置に取り付けることで、効率的に行っていくことができるでしょう。
後付けできるバルコニー屋根のおすすめ商品
快適でスタイリッシュな景観を持つことができる、バルコニー屋根をご紹介します。
すべてR型(アール型)とF型(フラット型)があるので、見た目や機能性で選ぶことが可能です。
奥行が9尺までラインナップしているYKK APのソラリアです。
屋根部の強度を高めているため、風の影響にも対応しています。
カラーは本体部分が木調を含め10色から選ぶことができ、屋根のポリカーボネート板はアースブルー、スモークブラウン、トーメイマットから選ぶことができます。
他にも屋根材には熱線遮断ポリカーボネートや熱線遮断FRP板が用意されています。
シャープさを持つバルコニー屋根で、住宅の景観にクールな印象を与えることができます。
天然木の質感がナチュラルでおしゃれなYKK APのサザンテラスです。
前枠や垂木が張り出して木組みの雰囲気を実現したパーゴラタイプとすっきりした印象のフレームタイプの2種類があります。
カラーは白いバニラウォールナットとキャラメルチーク、ショコラウォールナットの3色から選ぶことができ、いずれも木目調です。
屋根のポリカーボネート板はアースブルー、スモークブラウン、トーメイマットから選ぶことができ、他に熱線遮断ポリカーボネートや熱線遮断FRP板を選べます。
住宅にナチュラルな雰囲気を足すことができ、柔らかさも同時に与えることができます。
外構に天然木や木目調のものがある場合に、よくマッチするのでおすすめです。
見た目からわかる、耐久性をもったLIXILのパワーアルファです。
風や雪に強い特徴をもったバルコニー屋根で、シンプルなのでモダンな住宅にマッチさせることができます。
屋根の形状がF型(フラット型)と3種類のアールを持った形状から選ぶことができます。
L型はゆるやかなアールを持ち、RB型は浅めのカーブライン、RA型は深めのカーブラインを持っています。
カラーは本体部分が5色から選ぶことができ、屋根のポリカーボネートはブルースモーク、クリアマット、ブラウンの3色から選べます。
他にも熱線吸収ポリカーボネートやアルミ樹脂複合パネルなど、太陽からの日差しに対応することができます。
シンプルで景観を邪魔せずに機能性を発揮してくれるのがLIXILのスピーネです。
太陽からの熱線をカットしつつ、明るさを確保しているので、室内でも快適なくつろぎ空間を得ることができます。
風や雪に対応したタイプもあるので、地域ごとに適切な屋根を設置することが可能です。
本体部分が5色から選ぶことができ、ポリカーボネート屋根材はブルースモーク、クリアマット、ブラウンの3色から選べます。
屋根材は他にも熱線吸収ポリカーボネート材が2種類用意されています。
バルコニーに屋根が必要な方角
雨を防ぐだけでなく、日差しを調整することもできるバルコニー屋根が、効果を発揮する方角について見ていきましょう。
日差しが多く入る方角
バルコニーが南向きや東南の向きにある場合は、日差しが強く入ってくるので部屋の中にも影響が出てきます。
部屋が暑くなってしまう場合などには、遮熱対策として屋根を後付けするメリットが出てきます。
ただ部屋の明るさに影響がでるので、その点はバランスをみて決めるようにしましょう。
明るさを損なわずに設置したい場合には、屋根材のポリカーボネートが透明のものやマットになっていないものを選ぶと、光を取り込むことができます。
日差しがあまりない方角
また、北向きや北西向きのバルコニーでは、日当たりが悪くなってしまい、室内の温度にも影響が出てしまいます。
北向きや北西向きにバルコニー屋根を設置したい場合は、熱線遮断効果が低い屋根材を使用したものなどを選ぶことで、ある程度室内温度を高めることができます。
洗濯物を雨から守るためには効果的ですが、そういったデメリットの面があるということも覚えておきましょう。
バルコニーに屋根を後付けする注意点
バルコニーに新たに屋根を取り付けたことによる、問題や注意点を見ていきましょう。
雨音
バルコニーに屋根を取り付けることによって、雨などが降ったときにはこれまでに無かった音が出るようになります。
豪雨などの際には、屋根に当たる雨音がうるさく感じるかもしれません。
ベッドルームに近いバルコニーに屋根を後付けした場合には、眠れなくなってしまうこともあり得ます。
なるべくベッドルーム付近には取り付けないようにしたほうがいいでしょう。
風や雪
バルコニー屋根は地上よりも高い位置に取り付けられるので、風の影響が強くなります。
風の強い地域や台風が毎年頻繁に接近する地域の場合、強い風で破損してしまう可能性があるので、耐風圧のタイプを選ぶようにしましょう。
また、雪が多く降る地域では積もった雪の重みに耐えられたり、雪が溜まらないようにする必要があります。
オプションの機能をつける場合、初期費用が多くかかりますが、安全面や修理などの費用を考えた場合には最初に選んでおくことをおすすめします。
固定資産税
バルコニーは屋根が無い場合には床面積に算入されません。
しかし、屋根やパネルを後づけした場合には、床面積に含まれることになり、固定資産税が高くなることがあります。
自治体が固定資産税の計算を行うので、気になる場合は自治体もしくは業者に確認するようにしましょう。
必要な時だけ屋根が欲しい場合はオーニングも
バルコニーの屋根は必要な時にあればいいという場合には、オーニングを設置することも考えてみましょう。
バルコニーの開放感はそのままに、夏の強い日差しやちょっとした雨を防ぐことができます。
洗濯物を守りたい場合はサンルームも
バルコニー屋根だけでは洗濯物が濡れてしまうという方は、サンルームの増設を考えてみてはいかがでしょうか。
窓を閉められるので、横風に吹かれた雨なども気にせずに洗濯物を干しておくことができます。
バルコニー屋根を後付けのまとめ
バルコニーに屋根を後付けする方法や種類について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
雨や紫外線から守ってくれる屋根にはメリットもあり、また開放感が減少するなどデメリットも存在します。
バルコニーに屋根を付けたときに満足して使っていくためにも、しっかりとその辺を理解しておく必要があります。
今回得た知識を参考に、自宅のバルコニーを快適でおしゃれな空間にしてみてはいかがでしょうか。
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