住みやすい家にするためには、バリアフリーがひとつのテーマとなります。高齢となり車椅子を使うようになれば、段差がないほうが暮らしやすいからです。そこで検討したいのが玄関アプローチのスロープです。
このスロープで取り入れたい外構素材に『スロープタイル』があります。今回はこのスロープタイルについて詳しく解説します。
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スロープタイルとは?
スロープタイルとは傾斜のある通路に敷いても、滑りにくく安全に通れるタイルのことです。堅牢性がある磁器質タイルを使うのが特徴ですが、そこには工夫も見られます。
スロープタイルは滑りにくいタイル
スロープタイルはその名のとおり、スロープ(傾斜路)に適したタイルです。表面に凹凸が施されているので、水はけが良く滑りにくくなっているのが特徴となります。
使用する素材はタイルの中でも硬度が高い磁器質タイルです。そのため、頻繁に往来するスロープでも欠けることなく安全に使えます。
ただ磁器質タイルはその堅牢性の高さゆえに、滑りやすい特性があります。そのままスロープに敷いては滑りやすく、車椅子なども安全に往来できません。
そこで表面に凹凸をつけることで滑りやすさを軽減しています。ただし単に凹凸をつけただけでは歩きにくいものですし、車椅子やベビーカーはかなりの振動が生じます。
そこで凹凸の形状に工夫をすることで、歩きやすさやベビーカーなどの振動も軽減しています。
スロープタイルの特性
段差をなくすバリアフリー目的のスロープに使用するためには、スロープタイルの特性を知っておくとよいでしょう。以下のような特性をもっています。
- 滑りにくい
- 歩きやすいように凹凸を極力減らしている
- 破損しにくい堅牢性がある
- 排水性が良い
- カラーバリエーションやデザインが豊富
機能性の面においては平面のタイルよりも高いことがわかります。スロープは傾斜があるので、雨が降ると滑るようでは困ります。
またスロープは玄関アプローチで設置するので、家の顔としてのデザイン性も問われます。スロープタイルはこれらの条件をクリアするような特性を持っています。
スロープタイルの素材
スロープタイルは基本的に硬度の高い磁器質になっています。ただ歩くだけではなく、バリアフリーとしての役割を果たすために車椅子での往来にも耐えなければならないからです。
磁器質タイルは素材を1200度以上の高温で焼いているので、極めて硬いという性質を持ちます。
スロープタイルを購入する際には素材をチェックし、磁器質タイルであるかどうかを確認しておくとよいでしょう。
スロープタイルの選び方
バリアフリーのためのスロープに設置するスロープタイルを購入する際には、次の点をチェックすることをおすすめします。
- 素材は磁器質
- 凹凸は極力少なく防滑性が高い
- 排水性が高い
- 玄関アプローチの印象に合うカラー
スロープタイルは表面デザインによって防滑性や排水性が変わります。またできる限り汚れが付着しにくいものを選ぶと掃除が楽になります。
汚れを落とさずに残してしまうと、凹凸部分に付着して滑りやすくなってしまうからです。
施工が簡単なのがスロープタイルのメリット
玄関スロープをスロープにする場合、その床面にはさまざまな素材が選べます。その中でもスロープタイルは滑りにくいという機能性の高さと施工が簡単なのがメリットと言えます。
たとえばスロープの床面を敷石やレンガにすると、見た目にはおしゃれですが滑りやすくなってしまいます。もちろん、単なるタイルも滑りやすいので注意しましょう。
コンクリート仕立てにする場合には、滑りにくくするための加工が必要です。その点、スロープタイルであれば貼り付けるだけなので簡単に施工できます。
////スロープタイルの価格
スロープタイルはどのくらいの価格なのかをチェックしてみましょう。
INAXブランドのLIXILから販売されているスロープタイルには、次のようなものがあります。いずれも㎡単位(税込)です。
100㎜角平 | 5,575円~ |
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150㎜角平 | 5,572円~ |
300㎜角平 | 5,666円~ |
同じシリーズで200×100㎜などさまざまなサイズがあります。ほかのメーカーも見てみましょう。すべて㎡当たりの単価です。
■東リのNSタイル
450㎜角 | 11,200円 |
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■日東製陶所のスワンタイル
150㎜角 | 12,800円 |
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価格コムで調べてみると、次のような商品があります。
150㎜角(9枚入り) | 1,480円(送料900円) |
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商品のバリエーションとしてはやはり、LIXILが豊富に揃っています。
ネット通販で検索すると相当に安いものがありますが、タイルではなく『シート』の場合があるので注意しましょう。価格はLIXILのものがひとつの目安になるようです。
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////バリアフリーにスロープタイルを取り入れるポイント
それではバリアフリーとしてスロープタイルを取り入れる場合のポイントをご紹介します。
サイズ違いの組み合わせでデザイン性アップ
スロープタイルにはいろんなサイズがあります。同じブランドの同じデザインでも、サイズ違いが用意されています。
そこでサイズの異なるスロープタイルを組み合わせるだけで、デザイン性を高めることができます。小さな正方形や大きな正方形、そして長方形の3種類を組み合わせるだけでも、おしゃれなデザインに仕上がります。
タイルそのもののデザインにそれほど特徴がなくても、サイズ違いの組み合わせで個性的なデザインを生み出すことが可能です。
スロープの角度は5度がおすすめ
玄関アプローチにスロープを取り入れる場合には、角度を5度までに抑えるのがおすすめです。
地面から玄関までの高さによっては、角度を緩やかにするとスロープの距離が必要になります。しかし角度を急にすると、車椅子での往来に支障をきたしてしまいます。
スロープの角度は次の点を考慮しましょう。
5度未満 | 車椅子での自走が可能 |
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10度未満 | 介護者が車椅子での介助が可能 |
15度未満 | 車椅子での介助の限界 |
車椅子での介助が前提であれば、10度未満の角度に抑えるのが理想です。15度以上になると危険なので注意しましょう。
スロープと階段の併用もあり
スロープタイルを設置する玄関スロープは、割と距離が必要です。そして玄関から通りまで直接スロープを施工するには距離が足りないというケースもあると思います。
そのような時は通りまでは階段にして、横向きにスロープを施工するのがおすすめです。直接的には通りに出ることはできませんが、車椅子での自走を考慮するとなれば必要な距離を確保できると思います。
もちろん使用するタイルの数もそれなりに必要です。予算をできる限り抑えたいという場合にはサイズ違いのスロープタイルをうまく組み合わせて、タイルそのものの形でデザインを工夫するとよいでしょう。
スロープで必要なエクステリア
バリアフリーのためのスロープを設置する場合には、ほかにも必要となるエクステリアがあります。その費用も考慮してスロープタイルの予算を考えることになるでしょう。
まず必要となるのは『手すり』です。これは車椅子での自走をする場合、途中で休む時に必要になります。車椅子の『ハンドリム(タイヤについているハンドル)』よりも、手すりを掴んだほうが疲れないからです。
またスロープを下りる時も手すりがあれば安全です。
ほかに照明も設置しておくとよいでしょう。暗い時には車椅子で自走するにも介助するにしても、足元を明るくしておけば安心します。
まとめ
スロープタイルは玄関アプローチのスロープに最適な外構素材です。滑りにくい機能性と施工のしやすさがその理由ですが、販売される商品も種類が豊富に揃っています。
家のバリアフリーを考えている方は、スロープタイルを検討してみる価値は大いにあると思います。
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