除草を効率的に行えるものがあれば、休日の大切な時間を草むしりで浪費してしまうこともないのにとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
生い茂った雑草を除草するにはさまざまな方法がありますが、できるだけ簡単にできるものがあればそれを選びたいですよね。
また植栽や作物などが近くにあるといった場合には、それらが枯れてしまわないように除草することも大切です。
消石灰は畑の土壌改良などで使われており、除草にも効果があると目にしたこともあるのではないでしょうか。
今回は消石灰を除草に使ったときの効果からどこで入手することができるのかなど、徹底的に解説していきます。
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////除草に使える消石灰ってなに?
水質や土壌の改良や殺菌、こんにゃくの凝固剤や漆喰にも使われる水酸化カルシウムが消石灰と呼ばれています。
生石灰に水を加えることで数百度まで発熱したあとに消石灰が生成されます。
消石灰は強いアルカリ性のため酸性化した土を中和するために用いられ、土と混ざることで炭酸カルシウムに変化します。
強いアルカリ性の消石灰ですが劇物指定は受けていません。
過去には運動場の白線を引くために消石灰が使われていましたが、皮膚の炎症や目に入ると危険という理由から現在では炭酸カルシウムや石膏などが代わりに使われています。
また、鳥インフルエンザや豚コレラなどが発生したときには、微生物の繁殖や活性を防ぐ効果のある消石灰が防疫のために使用されています。
////消石灰には除草以外にもさまざまな効果がある
畑に定期的に消石灰を撒いている光景を目にします。
除草の他に強アルカリ性をもつ消石灰にどういう効果があり、どういった目的で使われているのか見てみましょう。
酸性土壌を中和する
雨が多く降る日本では土壌が酸性にかたむきやすい傾向があります。
また酸性雨などによっても影響は大きくなり、酸性度の強い土質になっていきます。
消石灰は強いアルカリ性をもっているため、土壌に混ぜることで酸性に傾いた土質を中和することができます。
植物の多くは弱酸性を好むため、作物を育てるときには生長が良くなるなどのいい効果を得ることができるんです。
また、消石灰の量を調整して土壌のpH値を中性や弱アルカリ性にすることで、病原菌やカビの繁殖をおさえることができ、植物が病気になることを防ぐことができます。
不足しているカルシウムを補給する
作物がしっかりと生育するためにはカルシウムが必要になります。
雨の多い気候である日本では、雨によってカルシウムが溶け出してしまい、不足しがちになってしまいます。
カルシウムは作物の生長に必要な栄養素であるとともに、病気への耐性を強くする効果があります。
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////消石灰が除草に効くメカニズム
強いアルカリ性を持っている消石灰は、土壌に混ぜることで土中のpH値を変えることができます。
雑草は酸性の土を好むものが多く、土壌のpH値をアルカリよりにすることで、新たに雑草が生えてくることを防ぎます。
スギナやオオバコ、メヒシバ、カヤツリグサなどは酸性土壌に生えやすく、ドクダミも酸性に傾いている土壌に多い傾向があります。
地下茎をもつ雑草の場合には、一度根こそぎとってしまってから消石灰を土に混ぜることで割合を減らしていくことができるでしょう。
除草に消石灰を使う方法
除草するために消石灰を使用する際には、目を守るためのゴーグルや吸引してしまうことを防ぐマスク、直接肌に触れないようにする手袋や長袖長ズボンを着用して作業するようにします。
強アルカリ性である消石灰は肌に直接触れると炎症を起こすことがあり、目に入ってしまった場合最悪失明する恐れもあります。
まず、除草したい場所がどれくらいのpHなのかを酸度測定液やpH試験紙などを使って調べてみましょう。
通常の消石灰の散布量は1平方メートルに対して100グラム程度ですが、土壌の酸度や求めるpH値に応じて使用量を変えるようにします。
前述したように地下茎を持つ雑草がある場合には、あらかじめ根こそぎとっておいてから消石灰を投入します。
除草後に植物を植えたいという場合には、消石灰を散布した後1週間は肥料を混ぜ込まないようにしましょう。
肥料と消石灰を同時に混ぜてしまうと窒素成分がアンモニアガスとなって消えてしまい、折角の肥料の効果が薄れてしまいます。
消石灰はどこで入手できるのか
消石灰はホームセンターや園芸店、ネットなどでも購入することができます。消石灰という名称で販売されているものや、水酸化カルシウムとして販売されているものもあります。
販売されている消石灰は1kgや2kg、10kgや20kgなどの袋入りで販売されており、10kgや20kgのものは1000円から2000円程度で購入することができます。
消石灰を使う際の注意点
消石灰は強いアルカリ性を持つため、取扱いには注意が必要です。消石灰を使用する際に気をつけておくべきことについて見ていきましょう。
消石灰が肌に触れないように気をつける
強いアルカリ性をもつ消石灰は皮膚に触れると炎症を起こし、水分を持つ目につくと発熱し最悪の場合失明する危険があります。
誤飲してしまった場合には胃液で中和されるので影響は少ないですが、量が多い場合には呼吸困難や血圧上昇、腎機能や肝機能に障害をもたらす危険性もあります。
除草を消石灰で行う場合には肌の露出をおさえる、風の強い日には行わないなど十分に注意する必要があります。
また、お子さんやペットがいるお宅では、消石灰の使用だけでなく保管にも注意するようにしましょう。
土質が変わってしまう
除草した後にガーデニングや家庭菜園を行う予定であれば、消石灰を太量に投入したさいの土質の変化についても注意しましょう。
消石灰を土に混ぜることで酸性よりな土壌をアルカリよりにしたことで、育てたかった植物がうまく育たなくなってしまうということもあります。
またカルシウムについても同様で、大量の消石灰を投入することでカルシウムが過剰になってしまい、障害が出てくる可能性もあります。
それから強いアルカリ性をもつ消石灰は、土壌のもつ団粒構造を壊し、大量の消石灰の投入で土を固くしてしまうというケースもあります。
根の生育が悪くなり微生物が行きにくい環境を作ってしまうため、植物を育てるには不向きな土となってしまいます。
消石灰の除草効果は完全ではない
土壌のpH値を変えることで雑草を生えなくするため、酸性を好む雑草に対しては効果が期待できます。
しかし、それ以外の雑草が生長してくる可能性も高く、消石灰を使用して完璧に除草できるというわけではありません。
また、降ってくる雨によって徐々に酸性よりになってしまい、除草した種類の雑草もいずれ生えてきます。
そのため、雑草が生えている場所を管理するには、うまく雑草と付き合っていくようにするか、雑草が生えない環境にするかのどちらかになります。
除草の手間をできるだけ無くしたいという場合には、防草シートやコンクリートやレンガなどによる舗装を行うことを検討してみましょう。
まとめ
ここまで除草にも使える消石灰について解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
消石灰は除草剤のように即効性があり雑草を枯らすものとは違い、雑草が生えにくい環境を作り出すことができます。
また、消石灰の散布量を適切にすることで土壌改良することができ、植物が好む環境を作り出すこともできます。
除草と土作りをしたいという場合には、消石灰を使った雑草対策が有効でしょう。ただ除草だけを目的としている場合、望むほどの効果が得られないかもしれません。
その場合、雑草が生えてこないよう防草シートを敷いたり舗装をすることをおすすめします。
信頼のおける業者を選び、デザイン性のある舗装をすることで、雑草が生い茂った環境から快適なスペースを作り出すことができます。
除草する労力を最小にするためにも一度検討してみてはいかがでしょうか。
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