【外構素材】耐熱(耐火)レンガと普通のレンガの違いについて外構業者がわかりやすく解説

耐熱(耐火)レンガと普通のレンガの違いについて外構業者がわかりやすく解説

耐熱(耐火)レンガと普通のレンガの違いはどういったものなのか気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ピザ窯などをDIYされる方やレンガで外構を作ろうとお考えの方は、ホームセンターで見かけるこの耐熱(耐火)レンガと普通のレンガの違いについて疑問をもたれていることでしょう。

耐熱(耐火)レンガと普通のレンガは性能などの他に価格も違うため、適切に使用することでコストをおさえることができます。

今回はDIYで失敗しないために、耐熱(耐火)レンガと普通のレンガの違いについて解説していきます。

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耐熱(耐火)レンガと普通のレンガの違い

煉瓦

耐熱(耐火)レンガの特徴や価格、用途と普通のレンガにはどういった違いがあるのでしょうか。それぞれの違いについて見ていきましょう。

サイズの違い

耐熱(耐火)レンガと普通のレンガではJIS規格(日本工業規格)の定めたサイズも違います。

JIS規格は国内の規格なので、海外生産のレンガやJIS規格外のレンガはそれぞれ規格があるので、ここではJIS規格を中心に解説していきます。

また、JIS規格に認定を受けているレンガは品質や性能、強度においても規定をクリアしているということになるので、安心して施工できるという面もあります。

レンガを安価にしたいという理由でJIS規格外のものを選ぶという場合には、そういった安心感という部分と一旦冷静に比較してみるようにしましょう。

耐熱(耐火)レンガのサイズ

JIS規格では耐熱(耐火)レンガのサイズを以下のように定めています。

  • 長さ230mm×幅114mm×厚み65mm

このサイズが並型(標準型)となり、これを基本に施工用途に合わせられる規格異型や異型が形成されます。

耐熱(耐火)レンガは並型をそのまま使うこともできますし、規格異型や異型を製品として購入することもできます。

また、レンガカッターなどで、並型を加工しておさまりのいいサイズにすることも可能です。

普通のレンガ(赤レンガ)

JIS規格では普通のレンガ(赤レンガ)を以下のサイズのように定めています。

  • 長さ210mm×幅100mm×厚み60mm

ホームセンターで見かける普通のレンガはJIS規格のものであれば、多少誤差はありますが上記のサイズのものになります。

ただし、前述したようにJIS規格外のレンガや海外製のレンガについては違うサイズのレンガが販売されているので注意が必要です。

普通のレンガも耐熱(耐火)レンガと同じように規格異型や鋳型が存在します。

施工場所の大きさやデザインによって、製品をそのまま購入したり、自分で並型を加工してイメージ通りの外構にすることができます。

成分の違い

普通のレンガは粘土・頁岩・泥を主原料として作られます。

泥に含まれる鉄分の量や焼かれる際の酸素量などで、色味が変わりますが赤レンガ(普通のレンガ)というように基本的な色味は赤や赤茶という色味になります。

一方耐熱(耐火)レンガには熱に耐えるために、使用用途によってさまざまな成分が含まれます。

シリカやカオリナイト、アルミナ、クロミ、マグネシア、ドロマイトなどの成分があり、それぞれ耐火温度や酸性、塩基に対応する耐火物を作ります。

耐熱(耐火)レンガは成分の違いから、普通のレンガよりも白い色味が印象的な見た目になります。

耐火性の違い

耐熱(耐火)レンガと普通のレンガでは、耐熱(耐火)レンガのほうが熱に対して高い耐性をもっています。

耐火度は「SK+ハイフン+数字」で示されており、ホームセンターでよく見かけるのはSK-32ではないでしょうか。

SK-32は耐火温度が1000度以上あり、ピザ窯などでも使用します。普通のレンガも焼いて作られたものなので、当然耐火性を持っています。

しかし、窯には火が集中して熱が高まっている部分もできるため、普通のレンガでは不安要素も出てきてしまいます。

ピザ窯やバーベキューコンロなどをレンガで作る場合には、余裕をもった耐熱・耐火性をもたせたほうがいいでしょう。

価格の違い

耐熱(耐火)レンガは耐火性能が高いために、普通のレンガよりも価格は高くなります。

また耐熱(耐火)レンガでも耐火度の違いなど、性能によってもレンガの価格がかわってきます。

さらにJIS規格外の耐熱(耐火)レンガはJIS規格のレンガよりも安い場合がありますが、サイズや品質・強度について気になる場合にはよく精査した上で選択するようにしましょう。

ピザ窯やバーベキューコンロをDIYする場合には、性能と価格のバランスをとって耐熱(耐火)レンガを決めるようにしましょう。

窯の平均温度だけでなく、火や温度が集中的にどれくらい上がるかを知っておく必要があります。

オーバースペックの耐熱(耐火)レンガを選ぶこともできますが、コストがかかりすぎてしまう可能性もあるため、製作時には気を付けるようにしましょう。

用途の違い

耐熱(耐火)レンガは基本的に高い熱に耐える必要があるものに使用します。

ピザ窯やバーベキューコンロが家庭では考えられる用途ですが、他にもさらに高い体温度が必要な炉にも使われています。

また、アンティークの耐熱(耐火)レンガは性能重視としてではなく、色味や経年の質感などで、塀や花壇、アプローチなどでも使うことがあります。

性能だけでなくデザイン重視で耐熱(耐火)レンガを使用することもできます。

それから普通のレンガは塀や花壇、アプローチなどで基本的に使われることが多いレンガです。

柔らかさと堅ろう感を併せ持ったレンガは、ナチュラルさや西洋風、色味によってはさまざまな地域の雰囲気を外構に持たせることができます。

普通のレンガをそのままピザ窯やバーベキューコンロに使用することには不安が残りますが、熱が直接来ない場所には使用することも可能です。

耐熱(耐火)レンガで作った窯の外側の部分に使用したりなど、耐熱や耐火の性能があまり必要ない部分には普通のレンガを使用することで、コストダウンを図ることもできるでしょう。

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耐熱(耐火)レンガと普通のレンガの施工方法の違い

煉瓦

耐熱(耐火)レンガで施工する場合と普通のレンガで施工する場合には、方法の違いがあることに気を付けておきましょう。

同じレンガですが、事故に繋がってしまうこともあるので注意が必要です。

普通のレンガの施工方法

普通のレンガで花壇や塀を作る際には、レンガを水につけて施工することがあります。

これはレンガが乾いていると、目地のモルタルの水分をレンガが吸ってしまい、目地が切れてしまうことを防ぐために行っていることです。

普通のレンガを設置するためのモルタルは、セメントや砂、水を練ったもので、しっかりと厚みをつけてレンガを積んでいきます。

当然ですが水平をしっかりと出して、レンガが水平に敷いていけるようにします。

またレンガの積み方で一般的なのは交互に積んでいく長手積みですが、小口を表に出した小口積みやイギリス積み・フランドル積みなどの積み方もあるので、余裕がある場合にはチャレンジしてみてもいいかもしれません。

耐熱(耐火)レンガの施工方法

耐熱(耐火)レンガでピザ窯など火をあつかう構造物を作る際には、普通のレンガの施工方法を行うと爆発事故を起こす可能性があります。

それは、レンガを水につけて施工した場合に含まれた水分と熱が原因になり、水蒸気爆発という現象を引き起こしてしまうことがあるからです。

窯を作る際には、しっかりとレンガを乾燥させてから火をいれる必要があり、基本的にはレンガを水につけずに施工します。

また、耐熱(耐火)レンガの施工で使われるモルタルは、普通のレンガで使うモルタルとは違うものと認識しておきましょう。

耐火モルタルは、普通のレンガを積むために使用するモルタルとは違い、固めるものというよりは粘りをつけてくっつくようにするものです。

そのため普通のレンガを積むときのように目地に厚みをつけずに、薄く耐火モルタルを塗るようにして、レンガは水に浸さないようにします。

耐火モルタルを使用した施工は比較的難易度が高いため、DIYで行う場合には耐火度をもつアルミナセメントなどを使用してレンガを積んでいく方法もあります。

耐熱(耐火)レンガで窯を作る施工方法には選択肢がありますが、レンガが水分を含んだ状態では火を入れない、しっかりと乾燥させるということを徹底して行うようにしましょう。

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まとめ

ここまで耐熱(耐火)レンガと普通のレンガの違いについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。

熱に対してどのくらい耐える必要があるか、また見た目やコスト面においても耐熱(耐火)レンガか普通のレンガを使用するのかの選択肢になります。

また、用途によって施工方法にも違いがあるため、施工したい内容によって技術を覚えておく必要があります。

今回の内容をもとに耐熱(耐火)レンガを選ぶのか普通のレンガを選ぶのか適切に決めていくようにしましょう。

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