家庭菜園は土作りから始めよう

家庭菜園は土作りから始めよう

家庭菜園を始めようと思っても、土作りをどのようにすれば良いのか分からないという方も多いでしょう。

畑の土作りは何となく難しそうと感じる場合もあるでしょうが、必要なものを用意しておき、手順さえ把握しておけば家庭菜園初心者にもできます。

また、どうしても自信がないと感じる方でも、プランター菜園なら簡単ですよ。

この記事では、家庭菜園の土作りの基礎知識、土作りで必要なもの、土作りの手順などをご紹介します。

家庭菜園を成功させるには土作りがとても重要なので、基本的な知識をしっかりおさえて家庭菜園を楽しみましょう。

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家庭菜園の土作りの基礎知識

家庭菜園 土

土作りを始める前に、まずは家庭菜園の土作りの知識を把握しておくと良いです。

家庭菜園の土作りではどのような土が理想的なのか、どのタイミングで始めるべきなのかを詳しく解説します。

野菜を育てるのに理想的な土とは

野菜を育てるのに理想的なのは、以下の3つのポイントを満たしている土です。

  • 水持ち・水はけが良い
  • 通気性が良い
  • 適度な酸度である

土の状態としては「団粒構造」を目指してください。団粒構造とは、大小の粒が混ざり合った土の状態を指します。

団粒構造かどうか見極める方法としては、少し水を含ませて手で握り、指で軽く押してみると良いです。

指で軽く押したときに、ほろほろと崩れてくる状態が理想的です。

団粒構造の土ならば、粒と粒の間に適度な隙間がたくさんできるため、水はけや通気性が良くなります。

さらに、隙間に水分や養分も蓄えられるというメリットもあるのです。酸度については、目視で分かりませんので、酸度測定液というものを用います。

なお、野菜作りに最適な酸度はpH6.0~6.5程度とされています。

水持ちや水はけ、通気性の良さ、適度な酸度という、3つのポイントを満たしている土ならば、病気や害虫の被害に遭いにくいでしょう。

土作りをする時期

土作りを始める時期についてですが、畑や庭の土を掘り起こして家庭菜園を行う場合、種まきや苗植えをする1ヶ月前を目安に始めましょう。

なぜならば、土作りをする過程で石灰を混ぜた後や肥料を混ぜた後に2週間ほど土をおいておく必要があるからです。

詳しくは家庭菜園の土作りの手順でご説明しますが、土作りは約1ヶ月かかると把握しておきましょう。

一方、プランター菜園ならば土を混ぜ合わせるなどの工程がないので、すぐに始められます。

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家庭菜園の土作りで必要なもの

土と熊手

家庭菜園の土作りで基本的に必要なものは以下の通りです。

  • 培養土
  • 肥料
  • 石灰
  • シャベル
  • クワ
  • レーキ
  • 酸度測定液や土壌酸度計
  • プランターや鉢底石(プランター菜園の場合)

ただし、これらの中でもケースによっては不要なものもあります。

たとえば、培養土はプランター菜園や狭い畑で使うのは良いですが、広い畑で使うには効率的ではありません。

広い畑では、元々ある土を使い、土壌改良したほうが良いです。

また、培養土を使う場合には、適度な酸度になっているはずなので、酸度を調整するための石灰や酸度測定液は必要ありません。

このように、家庭菜園を庭でするのかプランターでするのかや、もともとある土の状態などによって、必要なものが異なると理解しておきましょう。

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庭や畑で家庭菜園をする際の土作りの手順

シャベルで土を耕す男性の足

家庭菜園の土作りにおいて基礎知識や必要なものを把握できたところで、いよいよ土作りの手順を見ていきましょう。

ここでは、庭や畑で家庭菜園をする際の手順をご紹介します。

手順1.雑草や石などを取り除く

まずは、家庭菜園をする場所を雑草や石などを取り除きます。

そして、大体20~30センチほどの深さまでシャベルで土を掘り起こします。そうすると、硬い状態だった土が柔らかくなっていくでしょう。

掘り起こしている間にも、植物の根や石、虫などが出てくることがあるので、それらもすべて取り除いてください。

手順2.土を耕す

土を掘り起こしながら、石などを取り除くことができたら、クワを使いさらに耕します。

クワで耕すことで塊の状態だった土も細かくなり、フカフカで野菜が育ちやすい土になるでしょう。

かなり体力を使いますが、野菜の生育を左右する重要な作業ですので丁寧に行いましょう。

手順3.酸度を測り石灰を散布する

耕し終えたら酸度測定液や土壌酸度計で土壌の酸度を測ります。なぜなら、酸度が高い土は野菜の生育に影響を及ぼすからです。

日本は酸性の雨が降るため、土壌が酸性に傾きやすく、酸度調整が必要になるケースが多いです。

野菜に適しているのはpH6.0~6.5程度の弱酸性の土壌とされています。酸度を測り数値が高ければ、石灰を散いて中和させます。

家庭菜園では、石灰のなかでもカルシウムとマグネシウムの補給にもなる苦土石灰が最適です。

なお、苦土石灰の使用量は土壌のpHなどによっても異なりますが、1㎡に100g、土1kgに対して1.5gほどが目安となります。

苦土石灰を散布したら、まんべんなく混ぜ合わせましょう。

苦土石灰はゆっくりと酸度を調整していくうえ、肥料などと混ざると科学反応を起こしてしまうので、苦土石灰を散布してから2週間は土壌を寝かせておく必要があります。

手順4.堆肥や腐葉土などを混ぜ合わせる

土壌の酸度調整が完了したら、堆肥や腐葉土などの土壌改良材や肥料を撒いてよく混ぜ合わせます。

庭の土質は、主に砂質か粘土質のどちらかに分かれるはずなので、土質に応じて混ぜ合わせる量を調整します。

土を手で少し取り握ってみて、さらさらして崩れ落ちるものは砂質で排水性が良すぎるので、1㎡あたり堆肥や腐葉土を1kgほど、赤玉土や黒土を1kgほど撒きましょう。

一方、土を手で少し取り握ってみて、崩れ落ちずに固まったままなら粘土質で排水性が悪いので、1㎡あたり堆肥や腐葉土を2kgほど撒くと良いです。

手順5.畝を作り完了

土作りが終わったら、畝を作ります。畝は南北方向にのびるように作るとまんべんなく日が当たるようになります。

また、畝は幅70~80cm、高さ10~15cmを目安とし、畝と畝の間の通路は幅30cmほど確保すると良いです。

ここまでくると、畑らしさが一気に出てきます。畝を作り終えたら、種まきや苗植えができ、いよいよ野菜作りをスタートさせられます。

プランターで家庭菜園をする際の土作りの手順

ベランダに置かれたプランター

庭に家庭菜園をするスペースがなかったり、小規模な家庭菜園を始めたいと考えていたりする場合は、ベランダや庭の片隅などでプランターを用いて家庭菜園をすることが多いでしょう。

プランター菜園ならば、培養土を使うのが便利です。

培養土は赤玉土や黒土、肥料などが加わっているもので、酸度を調整したり土を混ぜたりする手間がかかりません。

用意したプランターに、洗った鉢底石を敷き詰めて、培養土をプランターの7割に入れれば完了となります。

もし、プランター菜園でも土作りからこだわりたいという場合は、「赤玉土7:腐葉土3」の割合で混ぜ合わせると良いです。

このように、畑や庭を耕して行う場合と違い、プランターで家庭菜園をする際の土作りはとても簡単です。

庭や畑の土作りの手順を見て、「手間がかかりそうで面倒」「自分にできるか不安」と感じた方は、まずプランター菜園から始めてみるのも良いでしょう。

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