家庭菜園で使う土はどれを選ぶべき?そのポイントを解説します

家庭菜園で使う土はどれを選ぶべき?そのポイントを解説します

家庭菜園で野菜を育てるためには土が必要です。しかしホームセンターに足を運ぶと、いろんな種類の土が販売されているので、どれを選べばよいのか迷うことでしょう。

そこで家庭菜園で使う土としてどのようなものを購入すればよいのかを解説します。

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家庭菜園では土の選び方が大切

スコップと土

まずは家庭菜園をするための土選びが必要な理由を把握しておきましょう。

家庭菜園に良い土が必要な理由

植物は土に根を張り、その根から茎や葉に必要とする栄養を送っています。そのため土は植物が育つために必要な栄養を与えられるものでなければなりません。

ひと口に土といっても必要な栄養を供給できるものとできないものがあります。そのため、育てる植物に合わせた土選びが必要になるということです。

それでは具体的に土に求めるものは何かをチェックしてみましょう。

保水性・水はけが必要

保水性と水はけは相反するものですが、家庭菜園で植物を育てるためにはその両方を兼ね備えた土が必要です。

まずは根から水分や養分を吸収できるように、保水性の高い土を用意します。保水性が高ければ水分や養分を土の中に蓄えておけます。

ただし余分な水分をいつまでも含んでいると、そのうち根腐れしてしまいます。そのため不要な水分は排出できるよう、水はけの良さも必要です。

では保水性と水はけの相反する機能を備えた土とはどのようなものかというと、「団粒構造」を備えた土ということになります。

これは団子状の土に水分や養分を蓄え、そして団子同士は適度に隙間があることで水はけをよくするという構造です。

つまり密集しすぎず、なおかつ粒がバラバラになりすぎない土が家庭菜園に適していると言えます。

適切な酸度が必要

家庭菜園で育てる野菜にはそれぞれ、適する土の酸度があります。多くの野菜は中性から微酸性(pHが6.0から6.5程度)であれば、土から必要な栄養や水分を吸収できます。

しかし土の酸度が大きく酸性やアルカリ性に傾いてしまうと、根が必要とする養分を吸収しにくくなります。

特に酸性の度合いが強くなると根が痛んでしまうので注意が必要です。土は雨が染み込むと酸性に傾くため、中性の土を使えば家庭菜園で野菜を育てやすくなります。

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家庭菜園で使う土とは?

新芽

次に家庭菜園で使う土について理解しておきましょう。

家庭菜園で使う土は「作る」必要がある

家庭菜園で育てる野菜には適した土があることがわかりました。そしてそのような土は適当に調達するのではなく、作ることが必要です。

たとえば土は放置しておくと雨が染み込み、酸性に傾いていきます。そのため石灰資材を土に混ぜて酸性を中和させる土壌調整を行います。

そして団粒構造にするため堆肥を混ぜます。堆肥を混ぜると土の保水性が高まり、水はけも良くなります。

このように土作りをして野菜を育てる準備をすることが必要です。

培養土を購入する

土作りは手間がかかりますし、ある程度のノウハウも必要です。そこで家庭菜園の初心者にはホームセンターで購入できる「培養土」を使うことをおすすめします。

培養土とは特定の野菜を育てるための土作りがすでに済んでいる状態の土のことです。育てる野菜に適した培養土を購入すれば、すぐに使えるので便利です。

培養土にもいろんな種類がある

培養土を購入しようと商品を選ぶ際には、いろんなタイプのものがあることに気づくと思います。そこでどれを選べばよいのか迷うことになるでしょう。

培養土には次のようにいろんな種類があります。

汎用タイプ

あらゆる植物を育てられるよう調整されたのが汎用タイプの培養土です。一般的な野菜用として販売されているので、家庭菜園の初心者には特におすすめのタイプだと言えるでしょう。

専用培養土

育てる植物に特化して調整されている培養土もあります。野菜ごとに異なる土を使えるのであれば、専用培養土を購入してもよいでしょう。

ただしコストがかかりますし、それぞれ管理も必要なので手間がかかる点には注意が必要です。

種まき・挿し木用

野菜を育てる初期の段階で使えるのが種まき・挿し木用の培養土です。特に水はけがよく、植物の根張りが良くなることが期待できます。

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家庭菜園の土の選び方

スコップと土

それでは家庭菜園に使える土の選び方をご紹介します。

肥料が含まれるものを選ぶ

そのまま使える培養土ですが、肥料が含まれているものといないものがあります。

肥料が含まれていない培養土は「挿し木」に使用しますが、そうでなければ肥料が含まれているものを選びましょう。

ホームセンターなどで購入する際には必ず、肥料が含まれているのか否かをチェックすることが大切です。

酸度で選ぶ

家庭菜園で育てる野菜により、適した酸度が違います。そこで自分が育てる野菜に合う酸度の培養土を選ぶようにしましょう。

おもな野菜の酸度は次のようになります。

  • pH5.0~5.5…ジャガイモなど
  • pH5.5~6.0…パセリ、ダイコンなど
  • pH6.0~6.5…トマト、ナス、キュウリ、レタスなど
  • pH7.0…ホウレンソウ、タマネギなど

育てる野菜により配合される肥料を選ぶ

培養土にはさまざまな肥料が配合されていますが、家庭菜園で育てる野菜により必要な栄養が違います。

そこで育てる野菜に必要な肥料が配合されている培養土を選びましょう。野菜により必要な肥料は次のようになっています。

ホウレンソウ…窒素肥料の硫安

ほかに小松菜やパセリなど収穫まで期間が短い葉物野菜に必要な肥料です。

トマト…熔成リン肥

花や果実の成長を促す性質がある肥料です。ほかにピーマンやナスなどを育てるのにも向いています。

ジャガイモ…硫酸カリウム

茎や根の成長を助ける性質をもつ肥料です。サツマイモを育てるのにも向いています。

肥料を含まない培養土を購入する

家庭菜園で育てる野菜に必要な肥料が含まれている培養土がない場合は、肥料を含まないものを選びましょう。別に肥料を購入すれば配合できるからです。

この場合、ベースとなる用土が必要になります。用土には赤玉土や黒土などがあります。赤玉土は通気性や排水性、そして保水性が高いのが特徴です。

黒土は有機質を多く含み保水性は高いものの、水はけがあまりよくないといった性質があります。

土を作る場合にはすぐに使用せず、1、2カ月はそのまま置いて微生物を十分に育成させることが必要です。

培養土にも定期的に肥料を

肥料を土にいれる様子

最初から肥料が配合されている培養土ですが、その養分は野菜の根から吸収されていきます。そのため定期的に肥料を与える必要があります。

育てる野菜に必要な肥料をチェックしておき、野菜の生育具合をみて土にばら撒くようにしましょう。

まとめ:家庭菜園の野菜に適した土を選ぼう

家庭菜園で使う土は、育てる野菜に適したものを選ぶ必要があります。

ホームセンターで販売される培養土を購入するのが1番手軽ですが、酸度や肥料にも注意するようにしましょう。

慣れてきたら自分で土をブレンドするのもよいかもしれません。野菜にとって育ちやすい土を作るのも楽しいものです。

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