家庭菜園を行うと、虫や雑草が発生するという悩みが出てきます。これらはせっかく育てた野菜にダメージを与えてしまうので、対策を立てる必要があります。
そこでおすすめしたいのが、環境にも身体にも優しい「手作り農薬」です。今回は農薬に関する知識と手作りできる農薬をいくつかご紹介します。
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////家庭菜園で農薬が必要になる理由3つ
まずは家庭菜園で農薬が必要になる3つの理由を説明します。
害虫から野菜を守るため
家庭菜園で育てた野菜には、害虫がつきやすいものとつきにくいものとがあります。
基本的に、適切に光合成を行い地中から養分を吸い取る野菜には、害虫はつきにくいものです。
しかしそのバランスが崩れると、光合成によって二酸化炭素から作り出された糖分が地中から吸い上げるチッ素と結びつかずに野菜に蓄えられると、それを好むが害虫が発生します。
あるいは逆に肥料を与えすぎても、アミノ酸が増えてしまうことで害虫が増えてしまいます。
予防策としては家庭菜園を行うにあたり、しっかりと光合成ができるようにすること、栄養分に過不足のない土を作ることが挙げられます。
しかしこのほかにも家庭菜園を行うと害虫が発生する理由はいろいろとあります。そして害虫が発生してしまった場合には、農薬を使って駆除をする必要があります。
病気予防のため
家庭菜園を行うと、野菜が病気になるケースが出てきます。病気の種類は非常に多種にわたりますが、その原因となるのは主にウィルス・細菌とカビです。
ウィルスや細菌はアブラムシなどの樹液を吸う虫が媒体となって野菜の中に入り込んできます。
カビの場合はもともと土の中にいるものですが、その割合が多くなりすぎることで野菜の病気へとつながります。
このような病気を防ぐためにも、農薬が使われます。媒体となる虫を防ぐための殺虫剤や菌を抑える殺菌剤などがあります。
雑草の発生を抑えるため
家庭菜園を庭で行う人はみな、雑草に悩まされるのではないでしょうか。
どこからともなく種が舞い降りて、いつの間にかグングンと伸びる雑草。その分、土の栄養も取られてしまうので深刻な問題かと思います。
この雑草の除去にも、農薬が役立ちます。除草剤をまきますが、ここで注意が必要です。
家庭菜園を含めて農作物には「農薬である除草剤を使うこと」が農薬取締法で定められています。
農薬ではない除草剤もありますが、家庭菜園をする場合には必ず農薬である除草剤を使いましょう。
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////農薬が環境や身体に与える影響とは?
農薬は薬ではなく「殺生物剤」です。なんらかの生物を殺す性質を持つため、人体にも悪影響を及ぼす可能性が高いとされています。
農薬は主に殺虫剤と殺菌剤、そして除草剤がありますが、それぞれに環境や人体への影響を与える要素が異なります。
殺虫剤は発達神経毒性が問題となり、殺菌剤は環境ホルモン作用や発癌性などが報告されています。そして除草剤は環境への影響が大きいと言われます。
////手作り農薬が環境にも身体にも優しい理由
市販の農薬は化学合成された薬品ですが、自然素材を使って手作りの農薬を作ることが可能です。
化学合成された農薬のように残留物が環境に影響を与えることがなく、時間の経過とともに分解されて土に吸収されるといった特性があります。もちろん身体への影響もありません。
素材となるのはハーブなどの植物エキスや木酢液、竹酢液などです。ほかにも、日常的に口に入れているものなど、普段よく購入しているものがあります。
このように殺菌効果があるものや、虫が嫌うニオイがあるものなどを使用して農薬の代わりにとなるものを手作りします。
環境にも身体にも優しい手作り農薬で使える材料4つ
それでは家庭菜園で使える手作り農薬の材料となるものを4つご紹介します。
いずれも簡単に手に入るものばかりなので、誰でもすぐに試すことができると思います。
牛乳でアブラムシ対策を
牛乳はそのまま加工することなく、アブラムシ対策として使用できます。
方法は簡単で、牛乳をそのまま霧吹きに入れて葉や茎についたアブラムシに吹きかけるだけです。
牛乳は乾燥すると白い膜を張ります。するとアブラムシに付着した牛乳が膜を張って縮み、アブラムシは窒息死亡します。
ポイントは乾燥しやすいように晴れた日に行うことと、アブラムシの体全体に吹きかけることです。
そして最後に葉や茎に牛乳が残らないように、水できちんと洗い流しておくことが大事です。
唐辛子で防虫効果を
米びつに唐辛子を入れておけば防虫できるのは有名ですが、これは辛み成分のカプサイシンに防虫効果があるからです。
手作り農薬の作り方としては、乾燥した唐辛子を瓶にひと握り入れて熱湯1リットルを加えます。フタをして1昼夜漬け込んでおけば完成です。
あるいは、カプサイシンはアルコールや酢に溶けやすい性質があるので、焼酎や酢に混ぜても作れます。
あとは霧吹きに入れてアブラムシや青虫、ダニに吹きかけます。
穀物酢(米酢)で病気予防を
穀物酢には抗菌、殺菌効果があるので、防虫以外にカビ菌が原因の病気に効果があります。
手作り農薬の作り方としては、穀物酢を水で25倍から50倍程度に薄めて霧吹きに入れるだけです。
あとは1週間おきに野菜全体に吹きかけるだけで、うどん粉病を予防したりナメクジがつくのを防いだりできます。
コーヒーで害虫予防を
コーヒーも害虫対策として利用できます。効果があるのハダニ、アブラムシ、ヨトウムシ、ネコブセンチュウです。
まずはインスタントコーヒーを濃いめに作り、冷ましてから霧吹きで吹きかけます。この方法で効果があるのはハダニとアブラムシです。
ヨトウムシとネコブセンチュウは、コーヒーのカスを土に混ぜ合わせることで寄りつかなくなります。
手作りの除草剤は難しい
防虫や病気予防のための手作り農薬をご紹介しましたが、除草剤の代わりとなる手作り農薬がありません。
実際には除草効果のあるものはいくつかあります。
たとえば「塩」は除草効果が高いことで知られますが、土で分解されないため野菜も育たなくなってしまいます。
ほかに「重曹」も雑草対策として使えることで有名です。殺菌効果が高いのがその理由となります。
うどん粉病の予防としても使用できますが、実は重曹は雑草に吹きかけてもほとんど吸収されません。そのため、単に塗布しただけでは除草効果が出ないということです。
そこで、まずは雑草に傷をつけて、その傷口から重曹を染み込ませるという形で使用します。
このようにひと手間が必要となることから、重曹を使った自然農薬としての除草は難しいと言えます。
まとめ
今回ご紹介したのは、比較的簡単に入手できる材料を使った手作り農薬です。その効果が確認できたら、そのほかの手作り農薬も試してみるとよいでしょう。
除草に関しては重曹を使用するなどの方法がありますが、実践するためにはひと工夫が必要です。
そのため基本的に、手作り農薬は防虫や病気予防対策と考えるとよいでしょう。
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