庭の外構素材には土や砂利などがありますが、その両方の性質を持つ『山砂』というものがあります。山砂は見た目が土のようですが、その性質は砂利という素材になります。
そこで今回はこの山砂について詳しくご紹介します。その特性を生かした施工例もご覧ください。
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////山砂とは花崗岩が風化したもの
花崗岩が風化すると粘土と硬い部分が残りますが、その硬い部分が山砂(やまずな)です。真砂土とも呼びますが、色が明るい茶系になるのが特徴となります。
見た目は土のようですが、山砂は『砂』です。砂は岩石がこまかく砕けた粒ですが、土はその砕けた岩石が粉状になったものです。
ただし粒とはいえ石のような塊がないので、地中に埋めた配管周りなどに使用されることが多いのが特徴となります。
山砂はその名のとおり、山で採取されます。そのため粒が揃っているわけではありませんが、販売されているものは粉状のもので揃えたものがあります。
////山砂の特徴
山砂の大きな特徴はまず、明るい茶系の色であるということです。
この点で砂利とよく比較されることが多いのですが、庭などに砂利敷きではなんとなく味気ないと感じる場合に山砂が使われるケースが見られます。まるで土を敷いたような温かみがあることでも利用されます。
そしてもうひとつ、山砂は土ではないので植物が育ちにくいという特性を持ちます。
見た目は土のようですが、土のような栄養価があまりないので、植物が育ちにくいというわけです。この点で、間違えてガーデニングに使用することがないように注意したいところです。
またこの特性を生かすことで、雑草対策にも使用されます。雑草も育ちにくいため、砂利よりも使い勝手が良いという面も持ちます。
さらに石のような塊がないことから、空洞ができないため踏みしめると地盤が固まるという特性もあります。
これにより、整地する場合に山砂が使いやすいということです。たとえば埋蔵物を取り除いたあとの埋め戻しに、土のかわりに使われるケースが多くみられます。
そのほか、水はけがよいことや虫が出にくいことも山砂の利点として挙げられます。
////山砂の使い方
山砂を庭にそのまま敷くと、風で舞い上がることがあります。非常にこまかい粒なので、砂利とは違い風で飛ばされてしまうからです。
そのため、庭に使用する場合にはそのまま敷くというよりも、芝生などの下地として使われることが多くなります。
ただし庭の外構工事まで予算的に手が回らないという場合、土のままにしておかずに山砂を敷いておくというケースはあるでしょう。
土のままにしておくと、雨が降るとぬかるんでしまいます。足を踏み入れると泥だらけになるので、撥水性の良い山砂を敷いておけばぬかるみ対策になります。
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山砂の価格
山砂は販売する会社によって、また品質によって価格は違いますが、いくつかチェックしてみました。
- 1,000リットル 3,100円(配送は5,500円)
- 1,000リットル 2,200円~3,200円(産地による)
- 18キログラム 1,750円(送料無料)
- 15キログラム×2 2,250円(送料無料)
- 15キログラム 2,580円(送料無料)
- 30キログラム 3,900円(送料1,320円)
このように実に販売価格はさまざまです。ただし、土や砂利の販売業者の場合には1,000リットルあたり3,000円前後が相場のようです。
またネット通販サイトに掲載されている山砂はキログラム単位での販売ですが、だいたい10キログラムで1,000円といったところでしょうか。
さらに産地によって価格が変わるところもあるので、採取する場所によって品質は異なるようです。
山砂の施工例
それでは具体的に、山砂を使った施工例をご紹介します。
庭に敷いてそのまま整地
割と多いのが、庭にそのまま敷いておくというケースです。
もちろん、転圧をして固める必要がありますが、雨が降っても排水性が良いのでそのままで良いというのが理由のようです。
見た目にも明るい色なので、砂利を敷くよりも山砂を敷いたほうが好まれるケースは多いように思われます。
庭が広ければ、ドッグランとして山砂を敷く場合もあります。あるいは子どもの遊び場としても、山砂が利用されます。このように庭を庭園としてデザインするよりも、生活の場として使用する場合には山砂がピッタリです。
もちろん山砂に植物を植えることはできないので、ガーデニングをする場合には別途に花壇を用意する必要があります。また植物が生えにくいとはいえ、雑草の種が発芽すると山砂の下の土に根を伸ばすことがあります。
そのため、山砂を敷く前に防草シートを敷いて雑草対策をしておくことが必要です。
人工芝の下地処理に
庭に人工芝を敷く際に、下地処理として山砂が使われることがあります。
人工芝を敷く際には下地処理として防草シートの上に砂利を敷く場合があります。しかし砂利の粒が揃っていないと、人工芝が安定しません。
そこで小粒な砂である山砂を敷いておくことで、人工芝を安定して敷くことができます。
玄関アプローチに
玄関アプローチに飛び石を敷いた際に、その周囲に山砂を敷いておくと明るい雰囲気になります。
一般的には砂利を敷きますが、石と茶色の山砂のコントラストがおしゃれな雰囲気を演出します。山砂は砂利よりも歩きやすく、土のような見た目が温かみを感じさせてくれます。
レンガと組み合わせておしゃれに
山砂は明るい茶系の色なので、同じ茶系のレンガと相性が良いと言えます。そこで庭にレンガを使う場合には、山砂と組み合わせるとよいでしょう。
たとえばレンガで作った花壇の周りに山砂を敷いて、さらにその周辺は砂利を敷き詰めるというものおすすめです。単にレンガ周りを砂利敷きにするよりも、おしゃれに演出できます。
あるいは玄関アプローチのそばにシンボルツリーを植える場合、その枠としてレンガで囲むような場合にも山砂が役立ちます。レンガ周りには山砂を敷くことで、落ち着いた雰囲気をなるでしょう。
このようにレンガと山砂を組み合わせることで、おしゃれなデザインにすることができます。
山砂の庭の注意点について
山砂を敷いたままの庭にはいくつか注意点があるのでご紹介します。
まずは山砂は風が強いと砂埃が舞い上がるので注意しましょう。特に一階で洗濯物を干す場合、砂埃が付着しないように囲いをしておくのがおすすめです。
また土よりも植物が生えにくいとはいえ、山砂にも雑草は生えてきます。
まずは下地処理をきちんと行い、転圧して山砂を固めておきましょう。それでもいつの間にか雑草は生えてきます。その場合には根を深く伸ばさないように、早めに処理をしておきましょう。
ほかに、駐車場の砂利のかわりに山砂を使うのは避けたほうがよいでしょう。車を出し入れする際には砂埃が舞うからです。周辺にも迷惑をかけることになるので、山砂は駐車場には不向きと言えます。
山砂をガーデニングに使う場合には、腐葉土を混ぜるとよいでしょう。
山砂には土のような養分がありません。そのままではガーデニングに使えないということです。そこで腐葉土を加えて、栄養分を与える必要があります。
また山砂は固まりやすいので、そのままでは通気性が悪くなります。植物を植えても、根腐れしてしまうということです。
そこで腐葉土に加えて、パーミキュライトなどを加えるとよいでしょう。粒の大きなものを加えれば、隙間が生じるからです。
庭に山砂を敷き詰めてガーデニングをする場合にはこのように、花壇のスペースにひと工夫することでそのまま植物を植えることができます。
まとめ
見た目が土のようで砂利のような性質を持つ山砂は、いろんな用途で利用できます。庭のデザインをおしゃれにするために、あるいは子どもの遊び場とするために、山砂の活用を考えてみてはいかがでしょうか。
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